来館日:2023年5月9日(火)
開催場所:兵庫県立美術館
観覧料(税込み):2,000円(前売り・ペアチケット)
展覧会情報(2023.05.14時点)
神戸:兵庫県立美術館 ギャラリー棟3階 2023年3月18日(土)~6月4日(日)
名古屋:金山南ビル美術館棟(旧名古屋ボストン美術館)2022年12月10日(土)~2023年3月5日(日)
会場中に設置した最大7mの壁・床に投影する最新鋭の映像と大迫力の音楽で贈る“ゴッホ”。世界で850万人を動員した話題の没入型展覧会。すべて撮影OK!アートファンからファミリーまで、自分が作品に溶け込むような感覚を楽しめます。
兵庫県立美術館 HP
今回は「ゴッホアライブ」展の
・チケットの時間指定はあるのか
・当日の混雑状況と所要時間
・展示内容
・独断と偏見の感想
・ミュージアムグッズ
・兵庫県立美術館周辺カフェ情報
・予習、復習に役立つ動画
など
を書いていきます。
混雑状況と所要時間
時間指定はなし
時間指定はないものの、当日券は2,500円と美術館にしては高すぎるだろ!と思った私は前売りのペアチケットをローソンチケットで事前に購入していきました。
休日に行った人から
「土日は恐ろしく混む」
という情報を得ていたので、平日の11時ぐらいに到着するように行ったところ・・・、すでにチケット売り場には15人ほど並んでいました・・・。
会場に入るまでに行列で入場制限がかかっているということはなかったのですが、会場内はすでに人でいっぱいでした。
うーむ。おそるべし、ゴッホ。
今後行かれる方はチケットをプレイガイドで購入し、平日・休日に関わらず朝イチ、もしくは夕方を狙って行かれることをおすすめします。
混雑情報はtwitterでチェック
所要時間
この展覧会は、「映像と音楽でゴッホの作品を鑑賞する」展覧会ですので、普通に飾ってある絵を見るわけではありません。よって、人によって滞在時間はまちまちかと思われます。
私は結構じっくり会場内にいたので、ミュージアムグッズを見る時間も含めて1時間半ぐらいいました。
短い人は20分ぐらいでもいいかもしれません。
展示内容
ゴッホの生涯紹介パネル
まず、展示場に入るとゴッホの作品をもとに、その生涯を紹介した展示パネルのコーナーがあります。
ここでだいたいの絵に込められた意味をふむ、ふむ、と頭に入れて(すぐ忘れるけど)次へ進みます。
アルル ゴッホの部屋
アルルのゴッホの寝室が、ゴッホが描いた絵と合体して再現されていました。
ベットに座ることはできませんが、お部屋に入って写真を撮ることはできます。
ちなみにこの寝室について、パネルでは以下のように説明されていました。
ゴッホのお気に入りの作品であり、また最も人気のある作品でもある。この作品はサン=レミの療養院に滞在中に記憶をもとに描かれており、ファン・ゴッホの人生において最も精力的だった日々の自宅での思い出をなつかしくよみがえらせている。<中略>
遠近感が強調され、奥に向かって物が斜めになることにより、非現実的で歪んだ寝室が再現されているが、それによってこの衝撃的な絵は独特で、かつ一度見たら忘れられないものとなっている。
ゴッホアライブ 説明パネルより
確かになんか歪んでおり、あまり居心地が良さそうには感じませんでした。
「香り」にも注目
ちなみに、この展覧会では「香り」からも作品を感じてもらおう、ということで、ゴッホの作品をイメージした香りを展示場に流しているそうです。
説明書きがこの寝室の展示の端っこの壁に、地味~に掲示されていました。
が、しかし、鼻をひくひくさせてみても、
全然におわなかった!!
私はにおいに敏感なのですが、全く感じず・・・。
混んでいたこともあり、人いきれで消されてしまったんじゃないですかねえ。
音楽と映像ゾーン
さて、黒いカーテンを入って進むと音楽・映像ゾーンになります。
ファン・ゴッホの作風は彼の、彼の激しく、変わりやすい心理状態を映し出すかのように常に変化した。ファン・ゴッホの5つの変化の過程を、彼の当時の体験や感情と呼応する音楽とともに展示し、ファン・ゴッホの生涯と作品を詳しく観察する
ゴッホアライブ パネルより
会場はおおまかに2つに分かれており(扉で分けられているわけではない)、それぞれで違う音楽、映像を流しているようでした。
ゴッホの生涯に沿って5つのテーマに分けられた作品(+自画像)と、それに合った音楽が流れています。
テーマは以下のようになります。
①オランダ時代:様式的には暗い。その後の色使いとは対照的。
②パリ時代:印象派のパリに影響。色彩はより鮮やかに。
③アルル時代:人生で最も幸せなひととき。しかし、精神状態が次第に下降していく。
④サン=レミ時代:自ら入った療養院の時代。危機と安定の間を揺れ動いている。
⑤オーヴェル=シュル=オワーズ時代:虚無感が数々の作品に反映されている。
⑥自画像:様々な時代を挟む形で登場。移り変わる感情を映しだす。
音楽に合わせて絵画が映し出され、絵画が切り替わるタイミングに合わせて音楽が響き渡ります。
どちらが先でも後でもない。
まさに絵画(映像)と音楽の融合です。
すべての映像を見たい場合は、スクリーンの前にヨギボーみたいなクッションが置いてあるので、その最前列に陣取って、床に座ってゆっくり鑑賞すると良きです。
だいたい30分ぐらいで映像が1週するのではないかと。
スクリーンがあちこちに屏風のように設置されており、そこに映し出される作品も同じではないため、一か所ではなく色々な角度から見る方が楽しめるかもしれません。
言葉で説明するより、実際の会場の映像を見た方がわかりやすいので、こちらのYouTubeをどうぞ。
色に飲み込まれる
こちらの展覧会は、音楽も圧倒的なのですが、目に飛び込んでくるのが
鮮やかな色
これがゆったりと流れたり、またテンポの良い音楽に乗って1秒ごとに切り替わったりします。
ゴッホの圧倒的な色、色、色!
目から飛び込んできて、ものすごい勢いで自分の体の中に入ってくる。
不思議な体験です。
狂気に巻き込まれる
このぐるぐる。
大画面で見るととても怖い。
世界がこんな風に見えていたのかと思うと、やはり常人とは違う何かを感じます。
音楽に心をゆだねる
こちらの「花咲くアーモンドの木」が投影されている時は、「さくらさくら」が流れており、一面の映像の中でも花びらがひらひらと舞い散っていて、とてもきれいでした。
日本の浮世絵にも影響を受けたゴッホならではですね。
ただ絵を映し出すだけではないゴッホアライブ
絵と音楽で魅せてくれるゴッホアライブ展ですが、それだけではありません。
絵に動きがあるのですよ!
たとえばこちら。
雨が降ってる!(写真じゃわからないけど)
風車が回ってる!
雲がうねってる!
麦畑が風でそよいでる!
汽車が走ってる!
実際の画像(YouTube)でご確認ください。
「ああ、ゴッホにはこんなふうに見えていたのか・・・」
ぜひじっくり時間を取ってこの展覧会を体験していただきたいです。
ひまわりの部屋
映像ゾーンを抜けると一面ひまわりの小部屋。
周りは鏡で、四方八方ひまわりです。
「ひまわりはある意味僕自身だ」と弟テオに語っていたゴッホ。
圧倒的な存在感です。
ゴッホさんと遊ぼう
QRを読み込むと自分のスマホに「ゴッホさん」が登場し、ゴッホさんを入れて写真を撮ることができるようになっていました。
ミュージアムグッズ
オリジナルミュージアムグッズは充実していました。
奇をてらった「おお、そうくるか!」なグッズはありませんでしたが・・・。
ただ、売り場が横長で品物が一列に並んでいて狭いので、混んでいると全然見えないかも・・・。
毎回オリジナルグッズに一つぐらい「誰が使うねん!」という変なの(デザインとか、ダジャレ商品とか)があるのですが、今回は特にありませんでした。つまらんな。
しかし、気になったのが、これ。
ひまわりのたね
普通に育ててもいいかと思います。
見ておくとより理解が深まる動画
「山田五郎 オトナの教養講座」
山田五郎氏のとってもためになる美術史講座。
小難しい専門書を読むよりわかりやすい!
ゴッホの回はこちらの3つ。
豊富な知識(どうやって頭に入れてるんだろう・・・)にもとづいたわかりやすい解説。
おさらいに見るも良し。予習で見るも良しです。
周辺カフェ情報
兵庫県立美術館周辺はカフェ不毛地帯となっております。
館内にはカフェとレストランがありますが、土日は混むこと必至なので、行列覚悟で待つか、三宮まで出てしまった方がいいです。
私は今回、以前から行ってみたかった神戸北野ホテルでアフタヌーンティーを楽しむことにしました!
兵庫県立美術館の最寄り駅阪神岩屋から三宮までは三駅。10分もあれば着きます。
三宮から北野ホテルまでは徒歩約15分。トアロードをひたすら北野に向かって上がって行きます。
雰囲気の良いロビー。
さあ、アフタヌーンティーはどんなのかなー。
こんなのでした!
が、紅茶はホテルのビュッフェのフリードリンクを利用してくださいとのこと・・・。
(自分で給湯器みたいなのからお湯を入れて注ぐタイプ)
ええええー!!
セルフううううう?
サービスしてくれよー。
激しくがっかり。
4,300円もしたのでね、その辺はきっちりサービスしてほしかったです。
アフタヌーンティーはティー込みで楽しみたいんだよう(涙)。
というわけで、スイーツとセイボリーは美味しかったけど、ちょっと残念なアフタヌーンティーでした。
ゴッホアライブは迷っていたら行くべし
平日でも結構混んでいたゴッホアライブですが、行くのを迷っているならば、行った方がいいです!
私は特にゴッホ大好き野郎ではありませんが(興味はあるけど)、音楽とともに映し出される映像に圧倒された貴重な体験でした。
難しいことを考えるより、目と耳で感じる絵画、といったところでしょうか。
特に大きなスクリーンに映し出されると、それまで気づかなかった点に気づいたりするので、また違った見方ができます。
こういう「ただ飾ってある絵を見る」という形ではない、絵画を楽しむ展覧会がもっと増えればいいなと思うのでした。