イギリスを感じよう〜イギリスのドラマを見る『英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件』あらすじと感想

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『英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件』のあらすじ・感想とともに、イギリス留学、旅行の経験から見たドラマの中のイギリスポイントも書いていきます。

2021年1月スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICSにて視聴

時は1960年代後半、同性愛が合法化されたばかりの頃。自由党の党首であり、この100年で最も若い院内総務でもあるジェレミー・ソープは、何としても隠したい秘密を抱えていた。若き馬丁のノーマン・スコットと激しく愛し合っていたのだ。しつこく付きまとう元恋人のスコットがいる限り、彼の輝かしい経歴は台なしにされかねない。そう思ったソープは、スコットの口を永久に封じるしかないという考えに行き着く。

制作:2018年

AXNミステリー

出演:ヒュー・グラント、ベン・ウィショー、アレックス・ジェニングス

英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件 | ソニー・ピクチャーズ公式
1965年のロンドン。下院議員ソープ(ヒュー・グラント)は次期自由党党首の座を狙っていた。彼はかつて支援者宅で出会った美青年ノーマン(ベン・ウィショー)と親密になり、愛し合う仲に。しかし、まだ同性愛が違法だった時代、秘密の関係は長く続かず2人は破局。経済的な後ろ盾を失い、生活費に困ったノーマンは、ソープの家族に関係を暴...
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タイトルやあらすじからは伝わらないおもしろさ

実は学生時代は腐女子だったワタクシ。
そんなこんなでいまだにこの手の話を見かけるとチェックしてしまう。
三つ子の魂百までってやつですね。

まあそれはさておき(どうでもいい情報)、タイトルやあらすじから見るとどんなドロドロドラマなんだ、と思ってしまうじゃないか。

これがまったくドロドロしてません。
70年代ふう(?)のポップな音楽と映像でむしろコミカル。

法廷のシーンもありますが、重くならなずに見られます。

なんだろ、邦画のタイトルってビミョーなのが多いですよね。

副題がなあ。セックスと陰謀かなあ・・・陰謀ねえ・・・

原題は”A Very English Scandal”です。
そのままでも良かったんじゃないかなあ。

庇護欲ビームを発しまくるベン・ウィショーにやられるヒュー・グラント

イギリス(イングランドとウェールズ)では同性愛は1967年まで違法だったそうです。
(スコットランドは1980年、北アイルランドは1982年に合法化)

意外と最近ですね。

それを考えると、武士の間でも衆道(同性愛)が盛んだった日本はその世界では(どの世界だよ)先進国だったんですね。

合法化がされたとはいえ、激しい差別の残る中、見つけちゃったわけですよヒュー・グラント演じるジェレミー・ソープは、
ノーマン・スコットという

「うさぎちゃん」(byジェレミー・ソープ)

を・・・。

登場からして

納屋?みたいなところで上半身裸で水浴びをしているノーマン青年。

それをジロジロ見つめるソープ議員先生。

ノーマン演じるベン・ウィショーがまた庇護欲をそそる表情でソープを見るもんだから、なんだかよくわからん「僕を守って、めにゃくちゃにして(?)!」ビームにぞわぞわっと来た先生はイチコロです。

困ったことがあったら僕を頼ってきたまえ、とか言ってカードを渡しちゃう。

何やってもうまくいかない情緒不安定な青年ノーマンはロンドンのソープの元へ。

そしてどこに囲うのかと思ったら母親の屋敷に連れて行く!

ソープ曰く

「面白いかと思って」

お、面白いかい???

そしてその夜いきなりノーマンの部屋に夜這いをかけるソープ。

ワセリン持って準備万端、やる気満々です。

しばらくはバスの2階でチューするなど蜜月が続く二人ですが、お酒や精神的な病気のための薬を飲み続け、情緒不安定で仕事をしないノーマンに段々嫌気がさしてきて疎遠になるソープ。

冷たい態度のソープに突然ぶっちぎれたノーマンは、

警察にソープとのことを訴える!

しかし警察は扱いに困り、そのままお蔵入り。
そりゃ困るだろう。

さらにノーマンは暴走し、ソープのママにも

「あなたの息子と僕はこんな関係でした」とちくり手紙を送りつける。
一線どころか十線ぐらいをとっくに越えまくってます。

同性愛が差別を受けていた時代にも関わらず、真実を口にできるノーマン。

自由党の党首にもなり、結婚して子供も生まれ、政治家として脂ののってきたソープは自分の足を引っ張りかねないノーマンが邪魔になってくる。

というわけで

「殺しちゃおうか」

とお友達のピーターにもちかけるソープ。

首を絞めるか、銃で撃つか、物騒な話をしてる割に悲壮感というか暗さがまったくないのはヒュー様の芝居のなせる業。

たれ目のお目目でジロジロっと見られたお友達のピーター・ベッセル(アレックス・ジェニングス)も思わず片棒を担ぐことに・・・。

とてもよくできたお友達のピーターのおかげと(お金で示談にしようとしてくれたらしい)、ノーマンの結婚などでソープから一時的にノーマンの影は消えるのですが、また忘れたころに

ノーマン

政治家としてバリバリやるぞーとしているところに

ノーマン

「やっぱり消えてもらうしかない!」

と思ったソープは部下のデイビットにノーマンをひそかに殺すように依頼します。

が、デイビットは悩んでヒゲモジャに依頼、ヒゲモジャはさらに口ヒゲに依頼、口ヒゲはこれまたマヌケなフレディ・マーキュリーっぽいヒゲに依頼します。

このヒゲつながりがマヌケすぎて笑える。

フレディヒゲは酔っぱらっておねえちゃんのおっぱいにパイを

「おっぱいがまぶしすぎるから取り締まってやる~(イヒヒ~)」

とパイパイ攻撃!が反対にパンチをくらってノックダウンするマヌケさ。

そんな彼に仕事を依頼したヒゲは

「あいつは冷酷でとんでもなく冷静だ」

って、どんだけ人を見る目がないんだよ!

おっぱいにパイだぞ?!

くだらねー!!

そんなこんなで、フレディヒゲはノーマンをおびき出し(違う街を探すマヌケっぷりを発揮)、銃で殺しかけるのですが、

失敗・・・

だろうな・・・。

結局こいつが捕まり、出所後新聞社に顛末を暴露したおかげで、ソープの周辺にも捜査が入り、ソープはノーマン殺人共謀および教唆の容疑で逮捕されます。

僕は男娼でも遊びの相手でもない

裁判が始まりますが、

「いつもお金の話になるが、僕は彼を愛していたし、彼も僕を愛してくれていた。僕は真実を話す」

と、陪審員や傍聴人を惹きつけ同情を集めるのに長けているノーマン。

裁判の内容が逐一公開されるもんだから、裁判所の外にもマスコミが押し寄せちょっとしたスター気取り。

それに比べて・・・裁判中も豪華なお食事をのんきにお召し上がりのソープ先生。

いかにも旧態依然とした感じです。

「開かれた同性愛。新世界の到来を陪審員が支持したらどうなる?彼に比べて君(ソープ)は古臭い」

と証言してもしなくても嘘つきに見られると弁護士に判断され、証言台には立たなかったソープ。

結局ソープは無罪となりますが、政治家としてのキャリアは断たれます。

裁判には負けましたが、連立政権の党首に対して一歩も引かなかったノーマン。

色々と考えることはあるけれども、不思議と後味が悪く重苦しいような幕切れではありません。

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私はラブコメはほとんど見ないので、ヒュー・グラントを見るのは久しぶり。
(『ブリジット・ジョーンズの日記』以来かも)

ヒュー・グラントといえば

『モーリス』

ですね。役名違うけど。

アラフィフ、アラフォーの元腐女子の方は一度は『モーリス』の洗礼(?)を受けたというか、一度は通る道というか(?)、ではないでしょうか。

学生時代、私のクラスではビデオ(この時代はビデオだった)が回し見されてましたね・・・。

アクセスいただいたサイトはメンテナンス中です
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ヒュー・グラントが若くて美しい!

これぞイギリス上流階級の青年の恋!

というわけでまたじっくり見たくなったしだいです。

この時は若くて美しいヒュー・グラントですが、『英国スキャンダル』でもやっぱり三つ揃えをソフトに着こなす。年取ってもさすがな英国紳士っぷりを見せつけてくれます。

なんでしょう、この方、間の取り方が絶妙だし、相手の反応に見せる表情が何とも言えません。

素晴らしー。

イギリスポイント

私が独断と偏見でお伝えする『英国スキャンダル』のイギリスだなあと思うポイントはこちら~

①イギリスの国会は狭い

庶民院議場(House of Commons Chamber)

ソープが熱弁をふるっていた場面が何回かありましたが、それがこの庶民院です。

ニュースでご覧になったこともあるかと思いますが、イギリスの国会の中は狭いです。

ギュウギュウです。

国会議事堂の中はツアーで回れるようになっており、私が行った時はどうでもいいと思われる(失礼な)国会答弁の見学もしました。

写真がNGなうえ、メモを取っていなかったので記憶があやふやではありますが、

「えらい狭いところでやってるなあ」

と思った記憶があります。

イギリスの国会議事堂は以下のサイトからバーチャルツアーを見ることができます。

Houses of Parliament 360° virtual tour

Just a moment...

ついでにYouTubeのチャンネルもありました。

オンラインガイドツアーもやっているみたいですね。

手軽に見ることができて便利だけど、やっぱり実際に行ってみたいなあ・・・。

さて、国会議事堂のことを調べていて驚いたのですが、イギリスにはまだ「貴族院」なるものが「上院」として残ってるんですね。

しかも選挙制じゃない。任命制。

現在ではさすがに世襲制は制限され(それでも92名定員)、一代限りの一代貴族と高位聖職者の聖職貴族などで構成されているそうです。

うーん、聖職者・・・フランス革命の時代かよ、とツッコみたくなりました(『ベルサイユのばら』を読もう)。

貴族院には女王陛下の玉座がある

②田舎の風景(は何もない)

ドラマ内でも何度か出てきた田舎の風景。
凹凸がありません。

数年前、イギリスの田舎にお稽古ぷち留学をした時に、

「Footpathでも歩いてきたら?楽しいわよ」

とホストマザーに言われたので、

Footpath

「おお、これか・・・どんな素敵な風景が待っているのか・・・」

と歩いてみたけど延々と、

こんな感じだったので、特に楽しくなくてやめました。

たまに馬とか羊とか牛がいる・・・

まあこれはこれで緑がいっぱいでよろしいかと思われます。

ちなみにwikipediaによるとFootpathとは

「イギリスで発祥した「歩くことを楽しむための道」」だそうです。

こんな花も見つけました(別の所で)。

イギリスの自然は奥が深いのでした(色々と)。


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