イギリスを感じよう~イギリスのドラマを見る~『パレーズ・エンド』あらすじと感想

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BBC・HBOドラマ『パレーズ・エンド』(Amazonプライム)

1900年代、イギリス。クリストファーは、一度だけ関係を持ったシルヴィアに妊娠を告げられ結婚するが、ほどなくして結婚生活に飽きたシルヴィアは男を作って外国へ逃げてしまう。そんな時、純真な心の持ち主である女性参政権論者ヴァレンタインと出会い彼女に引かれていく。そんな中、シルヴィアがヨリを戻しにクリストファーのもとへ。保守的なクリストファーは離婚もせず、結婚生活を再開させたものの、ほどなくして第一次世界大戦が勃発、クリストファーも戦地に赴くことに。ヴァレンタインの存在に気づいたシルヴィアは夫の心を繋ぎとめようと必死になる。激動の時代の中、それぞれが大きな運命のうねりに巻き込まれていく。

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出演:ベネディクト・カンバーバッチ、レベッカ・ホール、アデレイド・クレメンス

BBC・HBO制作ドラマ『パレーズ・エンド』を見た感想です。Amazon prime videoで視聴。

おすすめドラマかと言われるとビミョー・・・かな?

なんでしょう、メロドラマの一歩手前?な感じのドラマでした。
男性にはちょっと不向きな内容かもしれません。

・クリストファー(ベネディクト・カンバーバッチ)
とにかく生真面目な堅物男。融通が利かないので常に損をしている。
保守的ではあるが、理にかなったことなら柔軟に対応でき、突っ走ることもある。
基本親切。

・シルヴィア(レベッカ・ホール)
クリストファーの妻。誰の子供かわからない妊娠で半ば強引にクリストファーと結婚。
自由奔放な美女。頭はいいが、難しい会話が嫌い。
男性を魅了して言うなりにするのが当たり前の生活だったが、自分の思い通りに行動しないクリストファーにいらだちと複雑な愛情を抱いている。

・ヴァレンタイン(アデレイド・クレメンス)
女性参政権活動家。純粋で真っすぐ突き進む。
堅物クリストファーと会話が弾んで笑い顔までもらえる稀有な女性。

という3人の愛・憎しみ・嫉妬などのあれこれが、『ダウントン・アビー』とほぼ同じ時代、1900年代初頭に第一次大戦も描きながら進んでいく・・・というか進んでるのかよくわからないけど、進んでいく話です。

ストーリーよりもキャラクター造形を見よう!

クリストファー

カンバーバッチくんが、今回は金髪ですよ!金髪でもいけるんですね。

相変わらず顔は長いですが、相変わらずうまいですね~。
この人は映画などの大画面で見るより、テレビサイズもしくは舞台で観た方がすごさがわかるんじゃないかな。

融通が利かないため、周りの私腹を肥やす堕落した人たちに煙たがられ嫌われる役どころ。

あんまり感情を表に出さないので、妻シルヴィアはいらいらします。

生真面目が裏目に出て、妻には駆け落ちされるわ、いろんな人から誤解されるわ、醜聞をまき散らされるわ、戦争では前線に送られるわ、で運の悪い人です。

自分が思い描いていた社会とかけ離れていく現実に耐えられず、戦地に行くことを決意。

「英国はかつては秩序が保たれていたが、金によって詐欺師たちに牛耳られた。保守主義は食われた」

ちなみに彼の言う保守主義とは

「義務だ。上の者や下の者に尽くし、質素に暮らす。約束を守り、古きを敬う。家族を養い貧乏をしてでも守り抜く」

だそうです。

そりゃ生きててしんどくなるでしょう!
なんて善良な人なんだ、クリストファー。

心のうちを吐露しないクリストファーですが、上記のような心の声を吐き出したのは妻のシルヴィアではなく、ヴァレンタインでした。

シルヴィア

結婚してからも男遊びが派手で、ゴシップ誌の常連のような妻シルヴィア。

そんな自分を離婚しないどころか、なじりもしないクリストファーにいらだちを覚え、行動はさらにエスカレート。
彼女の前で取り乱したり、言葉を荒げたり、人としての感情を自分に向けてほしいんだろうなあ。

カイゼルひげ(?)がマヌケなペローンという名前もマヌケな男性と、フランスへ駆け落ちします。
なんでこんなマヌケを選ぶかなあ・・・。

それでもクリストファーは「妻は義母の看病のため不在だ」とシルヴィアを責めない。

シルヴィアの感情が終始複雑すぎて(たぶん本人もはっきりと認識できていないんじゃないかと)、理解に苦しみますが、結局ペローンをぺろんとふって、クリストファーの元に帰ってきます。

そして相変わらず男性を翻弄するけれど、クリストファーに貞節を守ろうともする。

クリストファーに彼の好きな画家の絵をわざわざ買ってくるものの、

「君の寝室に飾りなさい」

とか言われちゃうんだよね・・・。

歩み寄ろうとしても近づけない、難攻不落の男、クリストファー。

クリストファーが現実に絶望して軍隊に入った後も、この奥さんは彼の足を引っ張ります。

シルヴィアの元カレの嫌がらせでクリストファーの小切手が不渡りになって、個人の信用を失ったとクリストファーは激しく落ち込む。
彼女の醜聞のおかげでダンナが苦しんでいるのに、のんきに戦地にまで会いに行ったりする。

すごいな、この奥さん!

夫が砲弾飛び交う中にいるのにホテルでお酒飲んでる場合か!

「(クリストファーが)振り向いてくれるならどこへでもついていくわ」

と言っていますが、彼を困らせて心のうちを洗いざらいぶちまけてほしいだけなのか、愛情なのか・・・

でも演じるレベッカ・ホールが美人だしとっても魅力的なんですよ!
そりゃ男性はメロメロ(死語)になるだろうなあ。

ヴァレンタイン

堅物女性参政権活動家。

でもあんまり活動していない、気がする。
ママの方がキャラが濃い。弟も議論好きでうるさい一家。

クリストファーと出会ったのは、彼と一緒にゴルフをしていた大臣に、女性参政権を訴えた時です。

ヴァレンタインのお友達を逃がすのにクリストファーが手を貸してあげたりして、なかなかいい雰囲気。
この時からお互い惹かれ合うものがあったもよう。

シルヴィアと違って男性にはおくて。

その辺りもクリストファーと合うのかも。

お茶会などで会っても「ミス・ワノップ」「ティージェンスさん」と堅苦しく他人行儀な二人。

でも燃え上がった恋の炎はCan’t stop me!だぜ~。

若いだけに突っ走り、クリストファーが戦争から帰ってきたら走って会いに行って

「愛人にしてください!」(こんなんじゃなかったかもしれないけど、こんな感じ)

彼女とクリストファーの不倫の噂が出てから、シルヴィアも夫を取られまいとジェラシーで周りの人をかき回す。

しっちゃかめっちゃかです。

まあ最後はクリストファーはヴァレンタインと結ばれますし、戦争中部下や上司にも生真面目に誠意をもって対応したため、彼を慕ってくれる本当の友人ができたようで、戦後お友達がどやどやとクリストファーを訪ねてきてくれたりします。

よかったね、クリストファー!

イギリス1900年代のファッションを楽しもう

このドラマの見どころの一つは女性のお洋服です!

特にヴァレンタインの格好は行動的な彼女に似合っていて、とってもかわいい。

白いレースのワンピースもいいし、ネクタイにニットのカーディガン、黄色い薄手のストールをくるっと巻いていたりして、金髪ショートボブに映えます。

反対にシルヴィアは豪華なレースや刺繍で装飾されたアール・ヌーボーの影響を受けた流行ドレス。

こちらも素敵です。

さらにジャポニズムの影響も出てきた時代なので、着物みたいなのをガウン代わりにしています。

女性のファッションチェックも楽しいドラマです。

女性参政権について

イギリスの女性の参政権は条件付きで1918年に、21歳以上の女性全員に参政権が与えられたのは1928年でした。

抗議運動で競馬の馬に飛び込んで自殺を図ったり、ナショナル・ギャラリーのベラスケスの絵を切り裂いたり(これはドラマでも描かれていました)、かなり過激なこともやっていたようです。

このへんはまったくのノーチェックだったので、イギリスの女性参政権活動家を描いた映画『未来を花束にして』を見て勉強してみたいと思います。

イギリスを感じるポイント

さて、今回のドラマのイギリスを感じるポイントです。

戦地だろうがどこだろうがティータイムは大切に

衝撃!

第一次世界大戦の前線の砲弾飛び交う塹壕の中、部下にサンドイッチを頼んだクリストファー。

部下が運んできたのは

ちゃんとした陶器(柄つき)のお皿にサンドイッチ、ティーポットとティーカップが乗ったトレー

ティーセットは味気ないアルミ製じゃないよ!

塹壕の中でも優雅なティータイムは忘れない、イギリス人、さすがや・・・。

持ち運びしにくいとか、割れやすいとかは二の次なのでしょう!

②風が強くてもティータイムは大切に

クリストファーとシルヴィア、その親戚ご一同様が、海の見える崖のそばの原っぱでピクニック(執事付き)。

↑↑↑こんな感じのとこ。

風強いよ!

そんな中でも優雅にテーブル出してピクニック。テーブルクロスとかすっ飛んでいきそうです。
さすが、英国の上流階級の方々は違う・・・と思いました。

私がイギリス留学中に行った海沿いの崖(?)は南の方でしたが、それでも木が風でものすごい寝ぐせになっていました。

全部右にかしいでいる・・・。

金髪のベネディクト・カンバーバッチが見たいあなたに。

2020年7月現在Amazon prime video、huluにて配信中

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