観劇日:2023年11月14日 13:00公演
劇場:梅田芸術劇場メインホール
出演メンバー:Special ALL
観て来ました。雪組100周年記念公演 雪組OGによる「グレイテスト・ドリーム」
私が初めて宝塚の舞台を観たのが雪組。
杜けあきさんがトップスター、2番手が一路真輝さん時代で、1990年『天守に花匂い立つ』、ショー『ブライト・ディライト・タイム』でした。
そして初めてファンになってCD(「一路真輝 ビートルズを歌う」だ!時代を感じるぜ)やブロマイドを買ったのが一路さん。
その後色々観ていくうちに、花組、月組に移行(?)して行きましたが、高嶺ふぶきさんトップ時代までは雪組もよく観ていました。
そして、今回はそんな私の琴線に触れる、杜・一路コンビが観られる!
宝塚にハマった初心に戻れるに違いない。あの頃の想い出をかみしめられるに違いない。
し、しかも、もはや別枠(?)の美穂圭子御大もお出になるだとう。
これは行かねばなるまい。
出演者はSpecial ALL
花・月組100周年記念公演と同様に、雪組も回によって出演者が変わり、〇〇バージョンと内容がやや違うようです。
この回を選んだのは、
麻実れい、杜けあき、一路真輝の並びが観たい!!
という理由のためでございまする。
私はターコ(麻実)さんの宝塚現役時代は拝見していませんが、退団されてからのカッコよさに惚れまして、出演舞台はかなり観に行っております。
ひょっとして、『はばたけ黄金の翼よ』(テレビで見た)のヴィットリオ(麻実)、クラリーチェ(一路)なんかが観られたらどうしよう!!キャー。
というわけで、仕事を休んでこの回にしました。
しかし、悲しいかな、トップスターがユキ(高嶺)ちゃん時代から以降をあまり観ていないので、
絵麻緒ゆう(現・えまおゆう)、朝海ひかる、水夏希、壮一帆時代の作品がわからん・・・
さらに
愛原実花、愛加あゆ、舞羽美海の区別がつかん・・・
という状態です!
そんな私の独断と偏見による感想ですが、ご了承のうえ楽しんでいただければ幸いです。
ちなみにパンフレットは
2,000円もしたので、買わなかった。
ちょっと高くないですかっ!びびったわ。
お財布出して買いに行って、値段見てやめました。
そのため、曲などうろ覚えでございます。
1幕(順不同)
今回のバージョンは
とにかく出演者が宝塚時代の主題歌を歌いまくる!
という構成になっております。
いいぞー、こういうのが観たかったのだ!
第1幕はみなさん白を基調としたお衣装です。
一路真輝さん
やっぱりいっちゃん(一路)の歌声を聴くとほっとするというか、安心して聴いていていられます。
笑顔もいいんですよね~。
この公演、楽しいのか笑顔全開でした。
『JFK』より「アポロ・月への旅」
紫ともさんと『ブルボンの封印』「風と光の中で」 ←多分これだと思うのですが、違っていたらすみません。
『ブルボンの封印』はとん(紫)ちゃんの退団公演だったのですが、扱いがかわいそうで、悲しかった覚えがあります。
作品も原作はめちゃめちゃ面白くて、宝塚にぴったりなのに、なんだかなあ、な脚本でがっかり。
今回並んでいる姿を観てみて、いっちゃんの相手役はとんちゃんの方が合っていたんじゃないかと、あらためて思いましたですよ。
なにせその後相手役におこしになったのが
女帝・花總まり
ですからねえ・・・(何おかいわんや)。
それほど身長が高くないいっちゃんには合わないって~。
あんなに何年も女帝として君臨すると、この時誰が想像しえただろうか・・・。
おそろしや。
杜けあきさん
『華麗なるギャッツビー』より「朝日の昇る前に」
うおおおおー、聞きたかったのキター!!
台詞つきです(「タバコを止める、読書する・・・」とかギャッツビー少年の約束事)。
もうこれを聞いた途端、なぜか涙腺がボーボーな私。
このままギャッツビーやってほしい!
それぐらい良かった!
『華麗なるギャッツビー(グレート・ギャッツビー)』は宝塚で何回か再演されていますし、井上芳雄くん主演のものも観ましたが、やっぱり
杜・ギャッツビー、一番!最高!
でございます。
鮎ゆうきさんのデイジーもきれいだったしなあ。
私も年を取りましたので、初演を観た時にはわからなかった
「背中に感じる男の哀愁」とか「どうにかしたいけれど、どうしようもできない心情」などを感じ取れるようになりましたよ・・・。
カリ(杜)さんには、もっと歌いまくる役でミュージカルに出てもらいたいなあ。
平みちさん
モサク(平)さんは宝塚現役時代は観ておりません。
なので、なんの作品の歌を歌ったかわからない・・・。
わかったのは
『アンド・ナウ!』「そして、今」
うん?それだけ?
高嶺ふぶきさん
ユキ(高嶺)ちゃん、大病からの復帰おめでとうございます!
トップが2作だけだったのがもったいない。
しかもお披露目公演がこちらも原作はいかにも少女漫画で面白いのに、脚本が最悪(そもそも完結してないのにミュージカル化無理だって)な『虹のナターシャ』。
また女帝の役がタイトルに入っている。
コメディセンスがおありなので、色々な作品をトップになってから観てみたかったです。
さて、そんなユキちゃんは
『仮面のロマネスク』より「あなたがいるから」
美穂圭子御大とのデュエットです!
うおおおおお、
ええもん聴かせてもらいました。(五体投地)
だって、美穂圭子御大ですよ!
私はどちらかというと、娘役でも低音の声の人が好きなのですが(もう退団しちゃった矢代鴻さんとか)、美穂さんはドンピシャ。
あ、ユキちゃんの話だった。
ユキちゃんは黒髪を後ろでまとめていまして、それも宝塚現役時代の『仮面のロマネスク』のヴァルモンチックだったのです。
ちなみに2幕ではなんか『ブルボンの封印』のアドリアン・モーリスみたいでした。
『仮面のロマネスク』
この作品も宝塚で再演されていますし、私は玉木宏、鈴木京香のストレートプレイも観ましたが、やはり宝塚初演にかなうものはなかったです。
特に女帝が演じたメルトゥイユ侯爵夫人。
あの年で演じ切るとは、さすが女帝だなと思ったしだいです。
安蘭けいさん
とうこ(安蘭)、安定のうまさ!
『凍てついた明日』より「Blues Requiem」
とうことゆみこ(彩吹)は安心して聴いていられますね。
とうこさんといえば、『エリザベート』の新人公演のトートをやった時に
子ルドルフ「ママ、どこにいるの?」を一緒に歌うトートの「♪友達さ~」という低音が出なくて悩んでいた、と『エリザベート』の何周年かコンサートの時にユキちゃんが言っていました。
あんなに上手いのになー。
えまおゆう、和央ようか、朝海ひかる、貴城けい、水夏希、壮一帆さんたち
すみません、まとめてしまいました。
だって、曲の作品名がわからないんだもの・・・。
ショーの曲はたいていタイトルを歌詞で連呼してくれるので、
「ああ、あのショーか」
とわかるのですが、お芝居はわかんないや。
その中でわかったもの。
『ON THE 5th』(えまお)
『若き日の歌は忘れじ』(壮・愛加)
『華麗なる千拍子』(朝海)
『ベルサイユのばら』「わが名はオスカル」(朝海)
『Romance de Paris』(朝海・舞風)
多分他にも元トップコンビで何曲か。
娘役さんたち
こちらもまとめてすみません。
紫ともさんは『ヴァレンチノ』
月影瞳さんは『凱旋門』
とんちゃん(紫)はパタパタ耳健在でした(遠くからでもわかる)。
ぐん(月影)って、雪組だったの???
最初花組にいて、星組にも一時期いませんでしたか?(他の人も雪⇆星がよくわからん)
『誠の群像』の時、いたよね?!
と驚いていた次第です。
そして、相変わらず声デカいよ!ほかの人の歌声がかき消されるよ!
(よく観ていた花組時代に森奈みはるさんや渚あきさんの声がかき消されていたことを思い出す)
美穂圭子御大は、『ジャワの踊り子』でもご活躍。
いいぞー!!もっと歌って―。
1幕トリは平みちさん
カリさん、いっちゃんと
『スカイ・ハイ・スカイ』「私はカモメ」
きっとこの3人の時代を観てきた人にはたまらないと思われる場面でございました。
1幕トーク
高嶺・紫・和央・安蘭
阪神・淡路大震災の時はバウ公演『グッバイ・メリーゴーランド』の公演中で、地震後に公演はどうなるのかバウホールを見に来たという出演者3名。
ユキちゃん:ロッカーが倒れていたので、それを元に戻し、スプリンクラーの誤作動でびちょびちょになった化粧道具で使えそうなものを持って帰った。
たかこ(和央):バナナがたくさん置いてあったから、持って帰った。
とうこ:冷蔵庫からポカリスエットを持って帰った。
という話。
とりあえずみんな何か持って帰ったらしい・・・。
震災の時は、花の道沿いのお店はぺしゃんこになっているし、あちこちガラガラガッシャンになっていて、本当にびっくりしました。
この4人のトークは、マキが入ったためあっさり終了~。もっと喋ってー。
平・杜・一路
下級生のいっちゃんが上級生を気遣う。
100周年ですね~すごいですね~、のようなトークをするお三方。
思ったのですが、
雪組トーク、真面目だ・・・
花・月組100周年公演を観に行った時は、花組トークのあまりのグダグダトークに腰がくだけました(けなしてませんよ)。
ま、当時からそんなだったので、驚きませんが。
相変わらずのヤンミキ(安寿・真矢)。
ミキさんも「月組さん観てたら真面目だから、真面目にしなきゃって思って」と言ってましたが、まあ筆頭が
高汐巴さん
ですからね。
ペイ(高汐)さんが話し出すとどこへ話が転がるかわからない。
それを剣幸さんが回収するという・・・。
一部カリンチョ(杜)さんが、千秋楽を間違えるという一場面もありましたが、それに比べるととても安心して聞ける普通のトークな雪組さんでした。
2幕
2幕の衣装はみなさん黒で統一です。
2幕は暗闇の中でメモを取りました!
すごい、私!でも書いた文字が重なってて読めないので、一部不明。
思い違いをしてる部分もあるかもしれません。ご了承ください。
そのメモによるとこんな流れ。
- 「深川マンボ」(杜・紫)
- 『風と共に去りぬ』「真紅に燃えて」(一路)、「さよならは夕映えの中で」(平)
- 曲名わからず(壮)
- 『星影の人』「星影の人」(彩吹)、「生きるときめき」(水)
- 曲名わからず(貴城)
- 曲名わからず(朝海)
- 「THE ROSE」(安蘭)
- 『大上海』(和央)
- 曲名わからず(えまお)
- 『ゴールデン・デイズ』(高嶺、和央)
<トーク 平・杜・一路>
- 『花夢幻』(一路)
- 『あかねさす紫の花』(一路)
- 『たまゆらの記』(平)
- 『大江山花伝』(平)
- 『忠臣蔵』(杜、紫)
- 曲名わからず(寿)
- 『彷徨のレクイエム』(寿)
<トーク 麻実・寿>
- 『うたかたの恋』(麻実)
- 『風と共に去りぬ』「君はマグノリアの花の如く」(麻実)
- 『Joyful!!』(未来、朝海)
- 鴨川清作作品より、真帆しぶき出演作品より(美穂、平)←曲名わからず
- 「愛!」(一路)
- 「シャンソン・ド・パリ」(平)←曲名かどうか不明
- 「タカラジェンヌに乾杯」(全員)
- 「さよならタカラヅカ」(全員)
- 「すみれの花咲く頃」(アンコール)
麻実れいさん・寿ひずるさん
驚いたのが寿さんの声量!(舞台で拝見するのは初めて)
あのお年(失礼!)なのに
ザ・男役の歌声!声量!
びっくりしました。この公演一番のびっくりかも。
寿さんが2曲歌ったところで、麻実れいさんを呼び、ターコ(麻実)さん黒燕尾で登場!
登場すると客席から「ターコさん!」の掛け声。
それに対して
投げキッスで返す大スター、麻実れい
ただものじゃないぜ。
ターコさんの歌
「うたかたの恋」「君はマグノリアの花の如く」の2曲でしたが、「うたかたの恋」を歌います、と言ったとたん客席から上がる歓声(悲鳴)。
うーむさすがだ。
退団してからもファンに悲鳴を上げさせる大スター。
「君はマグノリアの花の如く」はバトラーの「スカーレット、僕は君が・・・(しばらくタメあり)好きだ・・・」のセリフ付き。
おおおー。でも2曲ともなんかねっとり(?)していて、もはや何の曲かわからないほど麻実節でした。
麻実・寿トーク
麻実:あなた(寿)汗かいてないじゃない。汗かくって言うから、私ハンカチをポケットに入れて持って出てきたのに。スワトーの良いハンカチだから無駄にかさばるのよ、男役は燕尾服着た時はこのライン(腰のポケットのライン)をきれいに見せないといけないのに。
寿の汗を拭く麻実。
寿:先輩に拭かせてすみません。
寿:燕尾服にぺたんこ靴って、ターコさんだからできることですよね。
麻実:ヒールはくの怖くって。
ちろりろりんりん事件
寿:日本物のショーの銀橋でターコさんが歌う場面だったんですけど。
後ろで踊っていた寿さんの耳に聞こえてきたのは、本来の歌詞とは違う
「♪ちろりろりんりん~」
麻実:きっと中日むかえて、疲れてたんでしょうね。
うーん、ただものじゃない。
ちなみにお二人は楽屋も一緒で、ずーっとしゃべっていたそうです。
雪組は歌が上手い(人が多い)
やはり歌える人が多い印象の雪組(そうじゃない人もいますけどね、それは置いておいて)。
特にカリ(杜)様。
2幕では『忠臣蔵』「花に散り雪に散り」ですよ!
またトリハダがああああ~!!
これもこのまま内蔵助やってほしい!!
「思い残すことはござらん!」と言ってくれ〜。
と、感動で身体が震えている私の視界に入った隣の人は、
ね、寝てるーーーーーー!
なんてもったいない。
そしていっちゃん(一路)。
2幕では『あかねさす紫の花』
「愛!」(「愛、愛は愛すること、愛されるより、愛すること」という歌詞の歌)
特に「愛!」
やはり聴かせますね!これ聴けただけでも耳福(?)です。
観終わって
やっぱり宝塚はいいなあ
としみじみ思いました。
別世界です。
(個人的なことですが)精神的にしんどい時でしたが、観に行ったら本当に楽しかった。
そういう世界なのです、宝塚は。
2023.11現在、色々問題を取り沙汰されていますが、
宝塚を好きでもない外野がうるさいんだよ!
そりゃあ問題はあるだろうさ!
しかし、ファンはあの世界、舞台を愛しているのだ!
下世話な週刊誌につっこまれないように、体制改善を粛々とおこない、また夢の世界を観させていただきたいと切に思います。
おまけー漫画ありの作品について
今回観ていて、漫画をもとにした作品が多いなあと思ったので、蛇足ながらご紹介します。
(リンクはamazonに飛びます)
『ベルサイユのばら』
みなさまご存じベルばらです。
私がテレビで初めて宝塚を見たのが1989年雪組再演のベルばらでした。
アンドレ:杜、オスカル:一路
でございました。
●『ベルサイユのばら』池田理代子
再アニメ化の話も進んでいるようです公式HP。
あの荒木伸吾、姫野美智さんの美麗キャラクターをこえられるのかどうか。
ちなみに私が持っている愛蔵版がこちらで、上下2巻にまとまっているものの、分厚さが辞書レベル。
でも紙がペラペラなのでそこまで重くない。
『ブルボンの封印』
小説とコミカライズがあります。
宝塚版は脚本がイマイチだった印象ですが、ベルばら好きなら楽しめるはず。
藤本ひとみさんは『ハプスブルクの宝剣』も星組で舞台化されています。
こちらも面白いのでぜひ!
●小説 藤本ひとみ
●コミック 森川久美画
森川久美さんの漫画は、ややわかりにくい描き方になっている部分があるので、原作を読んでから読むことをお勧めします。
元祖・星の王子様 紫苑ゆうさんも森川さんの漫画が好きだというのをどこかで読んだような気がします。
『仮面のロマネスク』
●『子爵ヴァルモン ~危険な関係~』さいとうちほ
宝塚の原作ではありませんが、さいとうちほさんの解釈によって描かれた『危険な関係』です。
さいとうさんはご自身も宝塚ファンで、『銀の狼』『天使の微笑・悪魔の涙』もコミカライズしています。
久世星佳さんトップの『チェーザレ・ボルジア』ではポスターも手掛けていたので、駅で見かけると近づいてガン見していた私(あやしい)。
ちなみにチェーザレは、さいとうさんの『花冠のマドンナ』にも出てきます。
(こちらはオトナ女子が読むと途中で読むのを挫折しそうなほどべたべた甘々の展開なので、ご注意ください)
そんなさいとうちほの描く『子爵ヴァルモン』
残念ながらあまりメルトゥイユ夫人が魅力的じゃないんだよなあ。髪型とか。
でもそれを補って余りあるヴァルモンの色気。
そして手紙でなされる心理戦。
「もっと正直に生きようよ・・・」と思わざるを得ないのでございました。
『虹のナターシャ』
高嶺ふぶきさんのお披露目にもかかわらず、こちらもへっぽこ脚本でございましたなあ(悲)。
●『虹のナターシャ』林真理子・原作 大和和紀・画
宝塚では変な所で中途半端に終わっていましたが(完結してないのに舞台化するから・・・)、大陸を舞台に、ナターシャと三条のすれ違い大河ロマンに突入していきます。
大和和紀(その大昔コミック誌の宣伝で「ワキちゃま」と書かれていた。時代ですね)は『あさきゆめみし』だけじゃないぜ!
花組『はいからさんが通る』チケット取れなくて観てないけど!
『大江山花伝』
●『大江山花伝』木原敏江
こちらの「夢の碑」シリーズからは『とりかえばや異聞』(『紫子』)も宝塚で舞台化されていますね。
個人的には『摩利と新吾』を小池先生演出、春野寿美礼と瀬奈じゅんでやってほしかったなあと思ったりします。
それにしても木原さんはじめ、この世代の漫画家さんは歴史、文化、芸術、風俗・・・などなど知識が豊富で、その知識をこれでもか!とぶちこんでくるので、漫画といえども色々勉強ができるのでした。
こういう作品は読んでいて楽しいですよね。
以上、ご興味がありましたら、ぜひ漫画版も読んでいただければと思います。