来館日:2022年3月17日(木)
開催場所:大阪中之島美術館
観覧料(税込み):1,500円(日時指定事前購入)
展覧会基本情報
2022年2⽉2⽇(⽔)– 3⽉21⽇(⽉・祝)
概要
公式HP
1983年に構想が発表されてから約40年。大阪中之島美術館のオープニングとなる本展では、これまでに収蔵した6000点を超えるコレクションから約400点の代表的な作品を選び一堂に公開します。3つの章により当館の収集活動の特徴を紹介し、国内第一級の質を誇るコレクションについて存分にご堪能いただける機会とします。
構想から開館まで約40年!
そもそも構想が持ち上がったのはバブリーな時代。
現代だったらこんなお金のかかる文化事業はいかがなものか・・・と言われるでしょうが、バブルの時代はやっちゃえー!だったのかも。
お金をかけて収蔵品を集めましたね・・・。
「Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり―」は集めた収蔵品から400点あまりを見せちゃうぞ~という展覧会です。
この記事では 「Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり―」 の
- チケットの購入方法
- 当日の混雑状況
- 独断と偏見による見どころと感想
- 大阪中之島美術館周辺のカフェ情報
および、で、新しく開館した大阪中之島美術館ってどんな美術館だった?ということをご紹介していきたいと思います。
チケットの取り方 オンラインでの時間指定あり
公式HPから時間指定のチケットを事前購入して行きました。私が行ったのは平日にもかかわらず美術館での当日券が売り切れでした!
まあ終了まで4日しかない時に行ったので、仕方ないのかもです。
今後もそんな感じなんですかね・・・。
大阪中之島美術館ってどんな美術館?
大阪中之島美術館はなんかオシャレな感じだった
建築コンセプトや配置されている家具はこちらのHPからも確認できます。
なんだかアーバンでお洒落な雰囲気(なんだそりゃ)がただよう建築となっています。
展示場は広い
おそらく現代美術には大型の作品も多いので、展示場の天上も高く設計されています。
常設展をどのようにするのかわかりませんが、今回の展示場は4階と5階に分かれていたので、かなり広い展示場があるという印象でした。
座って休める場所も多い
こんな風に椅子が置いてあるスペースが多く設けてありました。
毎回展覧会の感想で
「展示場内に椅子を置いてくれ!」
と言っているのが功を奏したのか(?んなわけない)、休む所が結構ありました!
これは腰痛持ちに助かる~。
館内の移動はわかりやすいか
最近の新しい美術館ってどこがどこにつながっているのかわかりにくいことが多くありませんか?
全体的に黒っぽい内装でまとめられていて、初めて行った私は混んでいたこともあってどこになにがあるのかわかりにくかったです。
何しろ周りが黒っぽい無機質な感じなので、
「ん?お手洗いはどこだ?コインロッカーは?」
ということに初めのうちはなりそうです。
兵庫県立美術館よりはマシだと思いますが。
館内カフェ、ショップは?
レストラン、カフェは2022年4月オープン
残念ながらレストラン、カフェは4月オープンということで、私が行った3月はまだ閉まっていました。
カフェのほかに、完全予約のリッチなフレンチとが入るようですが、そんな予約しないと入れないようなリッチなお店は一般庶民にはいらないとですたい。
セルフでもいいので、それなりの値段でそれなりのものを出してくれるキャパの広い普通のカフェテリアで十分です。
ミュージアムショップはこんな感じ
5階の展示場を出たところに展開されていました。
(公式HPでは1階にあると記載されているのですが、人が多いうえになぜか焦っていたのもあり、1階のショップは未チェックです)
グッズの種類はいっぱいありました!
ポストカード、メモ帳、マグネット、エコバッグ、クリアファイル、ポーチ・・・
ミュージアムショップのHPからでも購入できるようですが、今回の展覧会とはあまり関係していないもののようですね。
どうでもいいですが、STORES(簡単にHPが作成できる優れもの)でHPを作成していたのでへえ~と思いました。
いや、別にいいんだけど。
ミュージアムショップ以外にもショップあり
なんか意識高い系(?)の人が好きそうなオシャレなショップが入ってました。
行ってないけど。
当日の混雑具合は?
めちゃくちゃ混んでました!!
13:00からの時間指定をしていたので安心していたら、会場についたらこの始末。
めっちゃ混んでる!!
平日だから空いているだろうという予想を裏切る大混雑!!どっから湧いてきた!?(私もだけど)
とビビりましたが、ツルツルっと行列は進み、長いエスカレーターで4階の会場に入れました(展示場は4-5階)。
展示場がめちゃくちゃ混んでいた!!
入るまではスムーズでしたが、会場内がめちゃくちゃ混んでる~。
私は混んでいる美術展が大嫌いだあ!!(好きな人もいないでしょうが)
一部の作品は写真が撮れるようになっていたので、その混みあい具合がおわかりかと思いますが・・・。
こんな感じでひとがいっぱい。絵が並べて展示されていたところは行列。
背の低い私は見えないんだよ~。
会場自体は天井も高く(現代美術を展示するように高くしていると思われる)、かなり広い空間だったのですが、それを上回る人人人・・・。
人数制限の意味がないのでは・・・・?!
ちょっと次回以降はお考えいただきたいと思います。
独断と偏見による見どころと感想
展示構成
◆第1章:Hello! Super Collectors コレクション形成史の源を紹介
佐伯祐三をはじめとする山本發次郎コレクションや、大阪と関わりのある近代・現代美術(絵画・版画・写真)などを約160点。
◆第2章:Hello! Super Stars 代表的な近代・現代美術作品を紹介
モディリアーニ、ダリ、マルグリット、バスキア、草間彌生、森村泰昌など約25点。
◆第3章:Hello! Super Visions デザイン作品を中心に紹介
ロートレックのポスター、アールヌーボーの家具などグラフィック作品と家具作品などを約210点。
多すぎでしょ!
もう何が何だかわかりませんでした。
まあ一気に放出する機会も貴重なのだろうが、わけがわかりませんですよ・・・。
展示品の解説が少ないし小さいよ!HPの作品解説を見よ?
今回の展示は展示品の解説がとても少なく、また文字も小さかったので、私も見にくかったですし、ご高齢の方からは
「何書いてあるのか全然見えへん」
という声を聞きました。
そういう意図かわからないですけど、上記のHPの解説を見つつ鑑賞しろということなのではないかと・・・。
見に行く前にHPを見たら、展示品についてえらくたくさん解説が載っているなあと思ったのですが、そのためかな。
会場でもこのようにこのQRコードを読み込んで、解説を読んでね、という表示がいっぱいありましたが、気づく人あんまりいないんじゃないかな・・・。
会場監視員(兼案内)の人が口頭でも説明していたので、スマホ片手に見ている人もいましたが、音声ガイド、展示品一覧、スマホ、を駆使していたので、なんか大変そうでした。
私は音声ガイドは使用しなかったのですが、この記事を書くための鉛筆、メモ、展示品一覧、スマホをごちゃごちゃしながらでの鑑賞で普段よりやることが増えた・・・。
個人的見どころ
事前に展示品をチェックして、個人的な見どころを決めて行く・・・が・・
私は現代美術がよくわからないので、今回は事前に公式HPを見て、興味のありそうな作品をチェックして行きました。
結果、よくわからない現代美術と日本画をすっ飛ばし、
- ルネ・マグリット
- チャールズ・レニー・マッキントッシュ
- アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
- オーブリー・ヴィンセント・ビアズリー
を中心に見ていくことに決めました。
が・・・・
展示数が多くて途中でわけがわからなくなった!!
なにせ400点ですよ!
どこになにがあるのか・・・。人は多いし・・・。
というわけでわけがわからないなりに、見て面白かったと思うものをいくつかご紹介します。
第1章:Hello! Super Collectors コレクション形成史の源を紹介
■モーリス・ド・ヴラマンク「雪の村」
曇天に雪が積もる白い道。雪の積もる白い屋根が妙に印象的な作品。静寂を感じる絵でした。
■小磯良平「コスチューム」
白いドレスに黒いリボンが映えるなんとなくドガを彷彿とさせる作品。
■前田藤四郎「屋上運動」
「前田藤四郎」で検索したら『刀剣乱舞』がいっぱい出てきましたよ・・・。それはさておき。
この前田藤四郎の版画シリーズがポップで面白かったです。
前田藤四郎という人知りませんでしたが、大阪・松坂屋や広告印刷会社でショーウインドーや商品広告の制作に携わった人だそうです。消費文化を題材に作品を制作。
作品は今見ても新鮮でおしゃれです。
私のお気に入りは「デパート装飾」
デパートの売り場が描かれたこの作品。全体的にピンクで店員の制服も、お客の女性のお洋服もモダン。
真ん中にどーんとアレンジの花を配してます。
デザイン的にもオシャレ~。
■前田藤四郎 「カストリ横丁」
カストリとは粗悪な密造酒。
戦後までそのようなお酒を飲ませる飲み屋街が横浜・野毛にあった。
時代を表す版画です。さっきのポップでオサレな作品とは違ってまた面白い。
こちらのページから作品が見れます。↓
■今井俊満「シメール」「創生」
ううーん・・・。
なんかとっても見ていて気持ちが晴れない作品でした。
今井俊満の作品は他にも展示してありましたが、↓
「シメール」「創生」 はあまり自分のおうちに展示したくないなあ(できないけど)と思う迫力です。失礼ながらちょっと不愉快な気持ちにさせられると言いましょうか・・・。ある意味美術品で人の気分を左右させるのってすごいかとは思いますが。
第2章:Hello! Super Stars 代表的な近代・現代美術作品を紹介
■三木富雄「バラの耳」
三木富雄は耳をモチーフに数多くの作品を作ったそうですが・・・なぜ耳に薔薇?
意味がわかりませーん。
■ジョージ・シーガル「ストリート」
なんで印象に残ったかというと、単に
等身大で大きくてびっくりした
からです。
ジョージ・シーガルは「石膏をしみこませた医療用包帯をモデルの体に巻いて直接型取りをするという手法を開発した」人だそうです。
モデルさん大変そう・・・。
第3章:Hello! Super Visions デザイン作品を中心に紹介
■チャールズ・レニー・マッキントッシュ
「アーガイル・ストリート・ティールームのためのハイバックチェア」
「ウィロー・ティールームのためのラダーバックチェア」
近代イギリスを代表する建築家、インテリア・デザイナーでもあるマッキントッシュが手掛けた椅子。
座り心地はどうなんだろう‥という気もしますが、見た目が好み!
15年以上前にグラスゴーに旅行に行ったときに訪れたマッキントッシュが設計した ウィロー・ティールーム です。
私はこういうアールヌーボーな雰囲気がとても好きなので、とても気に入りました。
グラスゴーではほかにマッキントッシュ設計の「HOUSE FOR AN ART LOVER」という所にも行きまして、内部の建学と、カフェでランチをいただいてきました。
こちらもこんな感じで、好きな人には
「住んでもいい!いや、住みたい!」
おうちではないでしょうか。
写真がぼやけていて申し訳ないです・・・。
■ピエール・ボナール「乳母たちの散歩、辻馬車の列」
とりわけ日本びいきだったというボナール。
この作品も屏風仕立てで作られています。
上部を馬車の列が連なっているのもあえてデザインしたっぽいし、右下の子供の頭も大きすぎませんか・・・。帽子?じゃないよね。そしてマダムは必ず小型犬を連れているという。
ボナールをはじめとする「ナビ派(進むべき道を示してくれたゴーギャンの信奉者グループ)」は、絵画というジャンルにこだわらず、版画やポスター、そして家具のデザイン、本の挿絵なども手がけました。
サントリーミュージアム天保山のサントリーポスターコレクションも大阪中之島美術館に寄託されたということなので、いずれ大規模なポスター展覧会があるかもしれませんね。
楽しみです。
■ジュゼッペ・アルチンボルド「ソムリエ」(ウェイター)
アルチンボルドの作品を初めて見たのはウィーン美術史美術館だったかと思いますが、
「なんじゃこりゃあああああ~」
と大いに気に入りました。
1500年代にこんな変なの描く人がいたなんてびっくりです。
(ヒエロニムス・ボスとかいたけど)
このソムリエ(ウェイター)は木っぽい質感のせいか、どことなくピノキオチックでもあり、ロボットっぽくもあり、ほっぺがつるりとしていて、かわいらしい。
近現代作品を主として収蔵する大阪中之島美術館で見られるとは思っていなかったので少し驚きました。
展覧会感想
展示数が多すぎ! 途中で疲れ果てた
と、このへんまで頑張って見ていたのですが、とにかく第3章のポスターや家具展示が膨大すぎて、
力尽きた・・・・・・
もうこれにつきます。
楽しみにしていたロートレックもビアズリーも、疲れていたためあまりよく鑑賞できなかったのが正直なところです。
色んなものを所蔵しているのはわかりましただ・・・。
今後いろんな分野に分けていろいろな特別展を企画実施していただけると思うので、
興味があるものには行きたいと思います。
大阪中之島美術館周辺カフェ情報
中之島のあたりは肥後橋、靭公園、北浜などにまで足を延ばせるカフェ点在エリアなので、楽しいエリアでもあります。
今回は疲れたので美術館から一番近いと思われるこちらにしました。
Cafe AMADEUS STORY (旧ダルマイヤーカフェアンドショップ)
「『ロンドン・ナショナル・ギャラリー』展に行ってきた 感想と見どころ」の記事でも書いたのですが、このカフェに以前から行ってみたかったので、今回はようやくの来店です。
20分ぐらい並んで入りました。
ドイツの成城石井みたいなデリカテッセン(違うか・・・ハロッズ?フォション?)・ダルマイヤーだけではなく、ほかのブランドも取り扱うため店名も改めリニューアルのようです。
やっぱりザッハトルテだよねーというわけで、ザッハトルテと紅茶にしました。
ほどよい甘みが疲れた五感に染み渡る~。
ご馳走様でした!
このお店が入っているダイビル本館は大阪商船(現商船三井)の本社社屋として1925年に建てられた建物を活かしつつ、22階建てのオフィスタワーとして中之島に鎮座しています。
展示品を見るにあたっての参考図書
展示品を見るにあたってというか、見た後で美術史を整理する意味でも役に立ったのがこちら。
『鑑賞のための西洋美術史入門』視覚デザイン研究所
この本はこの印象派展の記事を書いた時にも参考にしたのですが、近現代美術がとんとわからない私にもわかりやすい解説でおススメです。