来館日:2021年12月23日(水)11:30~入場
開催場所:大阪市立美術館
観覧料(税込み):2,100円
展覧会基本情報(巡回)
大阪展:2021年11月13日(土)~2022年1月16日(日)大阪市立美術館
東京展:2022年2月9日(水)~5月30日(月) 国立新美術館 企画展示室1E
メトロポリタン美術館とは・・・
メトロポリタン美術館は、1866年7月4日、パリでアメリカ独立宣言の90周年を祝うために集ったアメリカの人々によって構想が提案され、その4年後の1870年4月13日に創立されました。(中略)アメリカ国民のために美術の教育と振興を図ることを使命とし、実業家や資産家、芸術家といった市民が創立者として尽力しました。(中略)現在では、先史時代から現代まで5000年以上にわたる世界各地の考古遺物・美術品150万点余りを有しています。
メトロポリタン美術館展公式HP
今回の特別展は
- メトロポリタン美術館、主要作品が一挙来日
- ルネサンスから19世紀まで、 西洋絵画史500年を彩った巨匠たちの名画が勢ぞろい
- ヨーロッパ絵画部門の2500点余りから 選りすぐった名画65点、 うち46点が日本初公開
だそうです。
これは西洋絵画好きとしては見ておかねば!と大阪展に行ってきました。
今回は、「メトロポリタン美術館」展の
・独断と偏見による見どころ
・見終わっての感想
・当日の混雑状況
・絵画を見るにあたっての参考図書
・大阪市立美術館周辺ランチ情報
をご紹介していきたいと思います。
チケットの取り方
会場販売の当日券でも入れるのですが、私は日時指定のオンラインチケットを購入していきました。
当日はスマホでQRコードをかざすだけでOKのチケットレスです。
チケット購入についてはこちらから。
大阪展の日時指定時間枠は
①9:30~10:30 ②10:30~11:30 ③11:30~12:30 ④12:30~13:30 ⑤13:30~14:30 ⑥14:30~15:30 ⑦15:30~16:30
となっていました。決められた時間内に入場すればOK。
私は11:30~12:30を選択。
土日はわかりませんが、私が行った日の様子を見ていると、平日は当日券でも余裕で入れそうです。
大阪展 当日の混雑具合は?
11:40ごろ美術館に到着しましたが、平日だったこともあり、そんなに混んでいませんでした。
入場も並ぶことはなくスムーズ。
中はほどほどに人がいましたが、絵の前に人だかりで全然見えない!とか、動かなくてイライラするというともありません。
とはいえ、私は背が低いので後ろからだと見えない場合もあります。
そんな時でも空いている絵から順に見ていけば問題ありませんでした。
展覧会で疲れないために・・・
絵を見るポイント
私は西洋絵画大好き~。でも知識はそんなにありません。
この絵画の構図はこうなっていて・・・とか、この画家の所属していた〇〇派は△△で・・・とかほとんどわかりません。
その私が絵を見るポイントは・・・。
- 見ていて好きかどうか
- 見ていて興味を惹かれるかどうか
- また見たいと思うかどうか
です!
単純明快。
美術展って疲れるイメージはありませんか?一生懸命色々な絵画を見たために疲れて、腰も痛いし目も痛い。
疲れた割にあんまり印象に残ってなかったりして・・・となるので、
「この絵きれいで好きだな」
と思う絵はじっくり見ればいいし、
「なんかあんまり好きじゃないなー」
と思うものはすっ飛ばして見ればいいのです。
事前に少しでも展覧会の知識を入れていくことをおすすめ
とはいえ、描かれている背景や人物についてちょっとでも知っておくと、より見た充実感が得られるもの。
余裕があれば事前にどんな絵画が展示されているか少しだけでも知識を頭に入れていくことをおすすめします。
そして興味のない絵はすっ飛ばして、自分の興味のある絵を重点的に見る。
そうすると無駄に疲れたぜ・・・になる確率が低くなる、と思う。
(『ロンドン・ナショナル・ギャラリー』展でこの方法を取りましたが、人が多すぎてやっぱり疲れました・・・。その記事はこちら)
しかし悲しいかな、ルーブルやロンドン・ナショナル・ギャラリーとは違って、メトロポリタン美術館所蔵の作品にフォーカスして書かれた気軽に手に入る本がなーい!
かなり探したのですが、見つけられませんでした。
メトロポリタン美術館だけでなく、ニューヨークにある美術館(メトロポリタン美術館、MoMAニューヨーク近代美術館、フリッツ・コレクションなど)についてについて書かれたのがこちら。
画家であり筆者の千住博氏は
「絵は恐れ入って見せていただくものではなく、楽しみながら面白がって「読んでいく」ものです。(中略)美術館では楽しむことを頭に置いてください。「おもしろいものを見つけてやろう」という気持ちで美術館に入っていきましょう。美術館とは勉強するところではなく、発見の場なのです」
ニューヨーク美術案内
と本書で述べておられます。
まさしくその通りだ!とズガーン!ときました。
私もこのスタンスで絵を見ていきたいと思います。
(勉強もできる場ではあると思うけど)
独断と偏見による見どころ
と、いうわけで、 あちこちで紹介されている有名どころはそちらで見ていただくとして・・・それ以外にも、調べていて「この絵面白い!」と思ったものをご紹介していきます。
Ⅰ 信仰とルネサンス
よく見てみると・・・
◆ピエロ・ディ・コジモ(本名 ピエロ・ディ・ロレンツォ・ディ・ピエロ・ダントニオ)
「狩りの場面」
右側に変なのがいますね。ギリシャ神話の半人半獣のサテュロスやケンタウロスが人間や動物と一緒に描かれています。
右下に横たわる人(?)はなんだろう・・・。どうしたんだ、君?!大丈夫か?
なんでこんな絵描こうと思ったのか・・・。
このピエロ・ディ・コジモという画家は古代の神話から着想を得た幻想的な作品を残しているので、ちょっと変わったものを取り入れるのがお好きだったようです。
よく見ると人間の顔も気持ち悪いし、動物も不気味。
変なの好きな方はじっくり見てみてください。
気になった絵画 あなたは誰?
◆ダヴィデ・ギルランダイオ(本名 ダヴィド・ビゴルディ)
「セルヴァッジャ・サッセッティ」
銀行家フランチェスコ・サセッティの5番目の娘だそうです。裕福なので真珠とサンゴのネックレスをしています。
もっとドラマがあるのかと思ったけどなかった・・・。
ほかにもあなたは誰?な人が何人かいましたが、調べてもよくわからなかったり、特にドラマチックな人はいませんでしたな。
ちなみにこの辺りの肖像画は裕福な人を描いていることが多いので、指輪であったりとか、剣であったりとか、身につけているものをチェックするとお金持ち度がわかるようです。
のんきな雰囲気に注目
◆ラファエロ・サンツィオ(サンティ)
「ゲッセマネの祈り」
この絵は思ったより小さかったです。よく注意していないとうっかり見過ごしてしまうかも。
イエス・キリストが「祈ってくるから眠らずに待っててね」と言ったにもかかわらず、ぐ~すか眠りこける弟子たちの図ですね。
この時のイエスはユダに裏切られて捕まる前でとってもセンシティブ。
「神よ、なぜ私なのですか!?」と悲痛な祈りも父なる神には届かない。
そんな祈りでへとへとに疲れ果てているのに、弟子たちはだらしなく眠ってしまっているという場面です。
なんかイエスからはあんまり悲壮感が感じられませんが・・・。
ちなみに以下はイスラエルに旅行した時に訪れた現在のゲッセマネの園。
オリーブの木が茂ります。
個性的!エル・グレコ
◆エル・グレコ(本名ドメニコス・テオトコプーロス)
「羊飼いの礼拝」
イエスの誕生を知って羊飼いたちがベツレヘムに訪れた場面です。
画像ではおっそろしく黒くなっていますが、実物はでデフォルメされた身体がにょにょーんと目に飛び込んでくる不思議作品。
ゆらめいているような荒々しいタッチの中で、中央のイエスから発せられた光が周りを照らす。
祝福してるんだかなんだかわからない上部の天使もよくわからない。
好き嫌いが分かれるであろうエル・グレコですが、私はこのアニメチックな画風が好きなので、あまり人だかりになっていなかったこともあり、しばらく見入っていました。
個性的過ぎて、当時の人々からは受け入れにくかったかもですね。
幼子イエスが不気味すぎる
Ⅰ.信仰とルネサンス には聖母子像が多く展示されています。思うんですけど、この時代の聖母子像のキリストって赤子のくせになんでこんなに不気味なんですかねえ。
怖いよ・・・。かわいくないよ。
以下、かわいくない不気味な赤子シリーズ。
◆フラ・フィリッポ・リッピ
「玉座の聖母子と二人の天使」
人生悟ってんのか、きみは。
◆ヘラルト・ダーフィット
「エジプトへの逃避途上の休息」
イエスの顔が大きすぎてバランス悪いよ・・・。
黒くて小さくてわかりにくいですが、右の木々の間に逃避行している聖家族が描かれています。
違う時間軸を同じ画面に描いているということですね。
◆ディーリック・バウツ
「聖母子」
一見かわいいと見せかけて、やっぱり不気味。
これらを見て、
「おお、なんと愛らしい幼子じゃ・・・」
とか昔の人は思ってたんですかね・・・。
不気味な幼子イエスに注目です。
うーん・・・やっぱり私はこの時代はイマイチ好きじゃないかもしれません。
聖母マリアもきれいじゃないし、この世知辛い世の中、もっときれいなかわいいものが見たい。
Ⅱ 絶対主義と啓蒙主義の時代
神々しいだけではない親しみの持てる聖母子像の出現
巨匠中の巨匠 ルーベンス
◆ペーテル・パウル・ルーベンス
「聖家族と聖フランチェスコ、聖アンナ、幼い洗礼者聖ヨハネ」
来たあ!ルーベンスだ!
なんかホッとしますね。不細工なマリア(失礼な)と不気味な赤子からようやく脱却です。
ぐんと人間らしさ、明るさが出てきましたね!
大きめの絵なので近づいて見て良し、離れて見て良し、の見やすさ。
イエス、母マリア、父ヨセフ、マリアの母アンナ、洗礼者ヨハネ、聖フランチェスコが描かれています。
右側の父ヨセフはひたすら影薄いです(暗がりに埋没してるし)。
聖フランチェスコはアッシジのフランチェスコと呼ばれ、清貧と奉仕を旨として聖痕をイエスから受けたそうです。説教を始めると小鳥まで聞き入ってしまったという・・・聖人の中でも人気者だとか。
調べてみると絵画でもいっぱい出てきます。覚えておくと次に西洋絵画の展覧会に行ったときに
「おお、君があのフランチェスコくんか!」
と思い出して親しみがわくかもしれません(?)。
聖人はいっぱいいますし、絵画にもよく描かれていますが、日本人にはとんとなじみがない。
カソリックの中高に6年間通った私もよくわかりません(聖書の時間があったから習ったんだろうなあ・・・)。
聖フランチェスコについては、この方のページにわかりやすく書かれています。
洗礼者ヨハネはイエスに洗礼をほどこし、サロメに首を所望されて首ちょんぱされた人です。
『ロンドン・ナショナル・ギャラリー』展では、私がその愛くるしさにメロメロ(死語)になったムリーリョの描いた「幼い洗礼者聖ヨハネと子羊」が展示されていました。
詳細は 『ロンドン・ナショナル・ギャラリー』展 の記事をご覧ください。
そのムリーリョの今回展示されている絵画がこちら↓
愛くるしさ一番!ムリーリョ
◆バルトロメ・エステバン・ムリーリョ
「聖母子」
ちょっとこのイエスはカエルっぽいですが、人生を達観してたり、母より老けてる感はありません。
あるのは赤ちゃんのぷくぷくとした愛らしさと、画面から感じられるのは優しさ。
ほわっと温かい気持ちにさせてくれます。
光輪なんてなくてもマリアとイエスの周りがほわっと優しい光に包まれています。
ずっと見ていたいですねー。
しかしこの展覧会も絵が飾ってある展示室には休憩用の椅子がないのですよ。
(展示室じゃないところにはあった)
気に入りの絵の前でぼーっと休めないのは腰痛持ちにはしんどいんだ。
コロナ対策かもしれませんが、展示室に椅子置いてください。
理想化された美しい肖像画
◆ジョシュア・レノルズ
「レディ・スミス(シャーロット・デラヴァル)と子どもたち(ジョージ・ヘンリー、ルイーザ、シャーロット)」
歴史画が頂点だ!と力説した割に需要がなかったので、お金になる肖像画ばっかり描いていたイギリス ロイヤル・アカデミー初代院長のレノルズ先生。
ママの目がうつろで空虚な洞窟のようでした。
なんでそんな憂い顔に描かれてしまったのか・・・。家族内に問題があったんでしょうかね(余計なお世話)。
レディ・スミスについて調べましたが、イマイチどんな人かわかりませんでした。
家族写真がなかった時代、こんな家族肖像画を描いてもらえるのがお貴族様のステータスだったのでしょう。
気品があるし、何より美しいし、レノルズ先生、いいよね!
友人に自画像をプレゼント
◆サルヴァトール・ローザ
「自画像」
静かで知的な雰囲気がただよう作品で妙に印象的。
お友達へのプレゼント作品だそうです。
友達からその人の自画像もらってうれしいかなあ・・・?と思った一枚。
骸骨に記された文字はギリシャ語で「やがていずこへ 見よ」、頭には古代ローマ、ギリシャで「死」と結び付けて考えられているという糸杉で編まれた冠。
「死を忘れるな」というメッセージでしょうか。
ますます嬉しくないなあ。
静岡県立美術館のページによると、彼は盗賊とか一揆の主導者であったとかという伝説が生まれ、没後イギリスで人気を博したらしい。
なかなか面白い逸話のある画家ですね。
犯罪歴が豊富すぎ!カラヴァッジョ
◆カラヴァッジョ(本名ミケランジェロ・メリージ)
「音楽家たち」
キービジュアルにもなっているこの作品。右から二人目はカラヴァッジョの自画像とも言われている。やたらとこの人と目が合う。
色々なところに解説が載っているので詳しくは避けますが、官能的というか、なんとなくBL(ボーイズ・ラブ)ちっくな雰囲気がただよってます。
当時の美童好みにはたまらん絵画でしょう(?)。
カラヴァッジョは傷害事件数知れず、殺人、死刑判決、逃亡・・・しっちゃかめっちゃかな画家ですが、死刑判決を受けて逃亡中にも関わらず、彼の絵を欲しがるパトロンは事欠かなかったということは、いかに魅力的な絵を描く画家だと評価されていたかがわかります。
オランダの風俗画がおもしろい
◆ヤン・ステーン
「テラスの陽気な集い」
オランダのことわざや教訓を庶民にあてはめて、皮肉を含んだ目線で描くヤン・ステーン。
居酒屋を経営していたそうなので、お酒を飲んで羽目を外す人を観察していたのかもしれませんね。
描かれた人の生き生きとした人間臭い表情。
メトロポリタン美術館のHPでは「テラスのうかれ騒ぎ」という邦題になっていますが、そっちのほうがしっくりくるかも。
フェルメールもいいけど、デ・ホーホもね
◆ピーテル・デ・ホーホ
「女主人への支払い」
画像だと暗いですが、実物はもっと明るいです。
右手奥の人物もはっきりしてます。
デ・ホーホは現在はフェルメールの名声に隠れてしまっていますが、フェルメールにも影響を与えたとされる画家です。
以下のデ・ホーホによる作品2点を見てみるとそうなのかなと思います(私はフェルメールについてあまり詳しくないのでわからない・・・)。
◆メトロポリタン美術館所蔵の「A Couple Playing Cards, with a Serving Woman」
◆ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵の「A Woman Drinking with Two Men」
気になった絵画 あなたは誰?
◆エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブラン
「ラ・シャトル伯爵夫人(マリー・シャルロット・ルイーズ・ペレット・アグラエ・ボンタン、1762–1848年)」
マリー・アントワネットの肖像画でも有名な女流画家ル・ブランが描いた、国王に近い位置にいた伯爵夫人の肖像画です。
メトロポリタン美術館HPによると、彼女はお貴族様なのでフランス革命時には亡命したとか。『ベルサイユのばら』ですね~。
華やかさと軽薄さと
◆ジャン・オノレ・フラゴナール
「二人の姉妹」
明るく軽やかなフラゴナール。
パステルできらきらとしていてまるで砂糖菓子のような絵画です。
なんとなくふわふわとしていて軽薄さすら感じられる。それが許される時代だったのでしょう。
Ⅲ 革命と人々のための芸術
◆ジャン=レオン・ジェローム
「ピュグマリオンとガラテア」
自分が彫刻した女性像に恋してしまったギリシャ神話のピグマリオン。
戯曲『ピグマリオン』は『マイ・フェア・レディ』の元となりました。
彫刻のガラテアは上半身は肌色で人間化していますが、下半身はまだ白く硬さを残した彫刻です。
しかし女性から見てもプロポーションが良い!(どこを見てるんだか)
すんばらしーです。
これはピグマリオンじゃなくても惚れちゃうぜー(?)
右側には愛の矢を放ったキューピッドとなんだかへんなお面?顔の皮みたいなのが。
これは古代ギリシャ劇に使用された悲劇用と喜劇用のマスク。
この話が喜劇なのか悲劇なのか。
この話には続きがありまして、結ばれた二人のひ孫にあたるミュラがどうしたことか自分の父親に恋してしまう。
そして生まれた不義の子が「アドニス」
以下の作品に出てきたアドニスくんです。
Ⅰ 信仰とルネサンス ティツィアーノ・ヴェチェッリオ「ヴィーナスとアドニス」
この絵画の参考文献はこちら
時代が移り変わり・・・
◆オノレ・ドーミエ
「三等客車」
きらびやかな美しい絵画から一転、息苦しい絵です。
三等車にしか乗ることのできない人々がひしめきあっている。
疲れ果て、暗い顔の人も多い。きっと車内の空気も悪いだろう(想像)。
産業化の波が押し寄せてきたフランスですが、暮らしが楽になる人たちばかりではなかったようで・・・。
しかし疲れているけれど庶民のたくましさも感じられる絵画です。
あと、この絵、よく見ると方眼紙みたいな点々があるんですよね、なんでしょうか・・・。
幸せになれるルノワール先生
◆オーギュスト・ルノワール
「海辺にて」
いいですね、ルノワール。
問答無用で見る人の心を温かくしますね。この絵は無意味に乳を出していないのもよろしい。
ささくれだったここををホッとさせてくれます。
絵ってあれこれ考えさせられるものももちろんいいのですが、パッと見て
「ああ、なんかホッとするな、この絵」
という絵も大事だと思う世知辛い今日この頃。
ゴッホとモネはとりあえず見ておこう!
◆クロード・モネ「木馬に乗るジャン・モネ」
モネのこの作品はメトロポリタン美術館のHP画像に制限がかかっていてダウンロードできませんでした。「木馬に乗るジャン・モネ」は、メトロポリタン美術館HPからご確認ください。
木馬に乗るジャン・モネくんはとてもかわいいので(この絵画はモネが死ぬまで手元に置いていたそう)要チェックです。
◆フィンセント・ファン・ゴッホ
「花咲く果樹園」
画家の筆遣いまで(絵の具の厚さとか)感じられるのが展覧会の良さ。
ゴッホは数年前まで何が良いのか全然わかりませんでしたが(今もよくわからんけど)、ほかの人と見えているものが違うのでは・・・すぎょい人なのでは・・・と思い始めました(気づくのか遅い)。
ゴッホを描いたBBCの秀作ドキュメンタリー(ベネディクト・カンバーバッチ好演!)の感想も書きました。よければこちらからどうぞ。
展覧会グッズは?
展覧会に行って楽しみなのはその展覧会のグッズ。
今回のメトロポリタン美術館展のグッズはどんなものがあるのかというと・・・オリジナルグッズが豊富でした~!公式HPからも一部見ることができます。
通信販売は現在(2021年12月現在)のところ予定はないとのこと。通販で購入できないので、見に行った時に思い残すことがないように買っておかねばです。
定番のポストカード、Tシャツ、クリアファイル、エコバッグなどのほか、缶入りチョコレート、小さいマドレーヌみたいなのなどのお菓子も数種類。
あと、このご時世かマスクやマスクBOXがありました。
あとサスティナビリティなのかしら、と思ったのがこちらの再生紙を使用したペーパーフォルダ。
写真ではわかりにくいですが、紙ファイルです。
売り場はわりと広いですが時間によって人が集中するみたいなので、ちょっと見て混んでたら展示場から出ないで一度戻って展示場で時間つぶしをした方がいいかもしれません(再入場できないので)。
私が行ったときはさほど混んでいなかったので、ゆっくり見ることができました。
チケットホルダーにもなりそうなマスクケースとポストカードを購入。
もうちょっと関連書籍を置いてくれたらうれしかったかも。
見終わって・・・
絵は実物を見るべし!
この記事を書くにあたって展覧会に行く前に画像や書面で絵を見ていましたが、
全然違うぜ!!
当たり前ですが、画像からは感じられないパワーがあります。平面なんだけど、立体的に迫ってくる感じ。
暗いと思っていた絵が実際は明るく奥行きのある絵だったり、そこに描き込まれた小さい人物など、実物でしかわからないこともたくさんありました。
パソコンやスマホで見ると拡大できるのですが、のっぺりとしてしまう。
やはり実物にかなうものなし!!
行くのどうしよっかなーと思っている方は、絶対に実物を見に行った方がいいです!
壁紙も良かった
今回あれ?と思ったのは壁紙。
ヨーロッパの美術館って濃いえんじとか、結構落ち着いた高貴な(?)感じのする壁紙を使っていることが多いですが、今回はそれに近い感じで、章ごとに壁紙の色を変えていました。
Ⅰは青。Ⅱはえんじっぽい赤。Ⅲは水色。
これが絵画と合っていてとても良かったと思います。
いにしえの歴史を持つ国と新しい国の力
メトロポリタン美術館は世界に誇る美術館だそうです。
いや、そうなのですが・・・この記事を書くために様々な画家の作品を調べていてですね、思ったのは
「美術品の収集において、新しい国はやはり歴史の古い国にはかなわない」
ということです。
新しい国というのはアメリカですが・・・。
これはたまたま私が見たい絵画を収蔵しているのがヨーロッパの美術館だったからそう感じただけかもしれません。
「あれ?この絵見たいのに、プラド美術館か・・・こっちはウィーンだな・・・」
ということが多かったので、アメリカの美術館が購入する時にはすでに別のヨーロッパの美術館のものや王侯貴族が手放さなかったりしたのかなあと思ったりしたのでした。
ちなみにお友達に自分の自画像を贈ったサルヴァトル・ローザの作品(素描や版画?)をメトロポリタン美術館はいっぱい持っているようなので、他のも見たかったぜ・・・。
展覧会で新しいお気に入りを見つけるのも楽しいものです。
展示場には休憩用の椅子が必要
これは毎回思うのですよ!
絵の飾ってある部屋に、椅子置いて!!
腰痛い!
目が乾くから座ってゆっくり目薬さしたい!
切望です。
置かないと展示場監視員の椅子に座るぞ!
単眼鏡最高!
今回から単眼鏡を持参しました。
以前より欲しくて、母親が正倉院展に行くときに使いたい、というので思い切って購入したら、
これが良かった!
私が買ったのはこちら
「ケンコー ギャラリーアイ」
多少人が多くて見にくい場合でも隙間から細かいところまで見える!!
これで絵に近づきすぎて叱られることも、ほかの人に嫌がられることもありません!
軽い!小さい!
激おすすめです!
見終わった後はあべのハルカスでランチ
キャピタル東洋亭
絵を見るとお腹が減る。展覧会後のランチをどこにするか考えるのもまた楽しいものです。
日本はイギリスみたいに美術館や博物館に手軽に入れて満足できるカフェが浸透していないのが悲しいところですが、反面ほかでお店を探す楽しみもあります。
今回は美術館近くのあべのハルカス13階にあるキャピタル東洋亭でハンバーグを食べてきました。
相変わらずの人気で平日にもかかわらず行列・・・。30分ほど待ちました。
が、やっぱり東洋亭のハンバーグはボリュームたっぷりで美味しい!
あべのハルカスに行ったら神農生活もチェック!
2021年の4月にあべのハルカス10階にオープンした台湾発のセレクトショップ神農生活。
台湾グッズや調味料、お酒、インスタントラーメンやお菓子がいっぱいで、見ているだけで楽しい。
パイナップルケーキはじめお菓子もいっぱいあったので、雪花餅(やわらかいヌガーの中にクッキー生地やナッツ、ドライフルーツが入っているもの)とヌガーサンド(クラッカーにヌガーが挟まってるもの)を買って帰りました。
ヌガーサンドは台湾に行ったときにめちゃくちゃハマりまして、帰国後も通販で購入してバリバリ食べてました。
しょっぱい+あまい+しょっぱい+あまい+・・・・・で無限に食べられます。
こちらは併設のカフェ食習で定食もいただけるので、次回はぜひこちらでランチをしようと思っております。
お茶のセレクトショップOolong Market 茶市場にはお茶がいっぱい。こちらのティールームでもお茶したい!
読んでおくとより理解が深まる参考文献
今回メトロポリタン美術館展を見に行くにあたって参考にした図書の一部です。
『変な西洋絵画』山田五郎
Ⅰ 信仰とルネサンスで「幼子イエスが不気味すぎる」と書きましたが、まさにこの本では「可愛くない子どもたち」として、そのことを取り上げてくださっています。わーい!
救世主イエスを普通の子供と同じように描くわけにはいかない・・・威厳ある姿に描かなくては・・・。
しかし子供らしさと威厳という相反する要素を両立するのは至難の業。多くの場合は威厳を優先して可愛くない子供に描いてしまったのでしょう、と山田五郎氏は書いています。
おう、なるほど!
やっぱりみんな変だなあと思ってるんだよ、こんな不気味な赤子やだよ~!
ほかにもエロおやじ顔、何かたくらみ顔、カツラか?などなど・・・。
子供以外にも、「狙っていない”へん”」を集めたこの本、絶対「これおかしい~」と楽しめるはずです。
(実際変なのばっかり・・・)
どうかしてるよ・・・。
『マンガでわかる「西洋絵画」の見かた 聖書編』監修:池上英洋
マンガというよりヘタウマイラストでの説明が入る感じです。
西洋絵画を見る時に絶対外せないテーマ「聖書」
絵画によく取り上げられる聖書のエピソードや人物などを多くの絵画を例に説明。1冊持っていると他の展示会などでも役立ちそうです。
日本人にはとかくなじみがないので、わからないまま絵を見て通り過ぎるより、テーマが頭に入っていると絵の見方もちょっと違ってくるかもしれませんね。
『フェルメール画集』(世界の名画シリーズ)Kindle版
こちらのシリーズ、Kindle版なのですが、優秀です!
画集になるとどうしても高額になってしまうのが、300円と安い!
見えにくい個所を拡大できる!
収録作品が多い!
周辺画家の情報も網羅!
といいところばっかり。
私は正直フェルメールにはあまり興味がないのですが、なぜこんなに人気なのかを知りたくて、でも高い専門書を買うほどではないし・・・という時にぴったりでした。
・・・・・と色々書いてきましたが、もしこの記事を読んで、今まで興味のなかった〇〇の絵も見てみようと思った、という方がいらっしゃったら嬉しいです。