この記事では、実際に30代を過ぎたHSPの私が留学先の語学学校でどのように荒波を乗り越えたかについて、HSPの視点も交えて書いていこうと思います(私のHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)についてはこちらに記載しています)。
私の留学は以下の通り。
留学先:イギリス・ロンドン
語学学校:LSI Hampstead校(午前と午後の授業を受講)
留学期間:約7ヶ月(10月~5月 ミュージアムでのインターンシップ含む)
滞在先:ホームステイ
LSIについてはこちら↓
HSP30代イギリス・ロンドンでの語学学校の選び方
留学先の語学学校を選ぶにあたって、30歳を少し過ぎた年齢の私がこだわった点は以下の4点です。
- 小規模な学校であること
- 学生の年齢層が比較的高めであること
- 街中のにぎやかな場所でないこと
- できる限り日本人の数が少ないこと
4の日本人が少ないというのは、どこに行っても日本人だらけなので、時期と運としか言いようがありません。
1を重視したのは一クラスが10名以上の大きな学校だと、先生の目も行き届かないし、なにより自分が周りに飲み込まれてしんどいだろうと思ったからです。
人がいっぱいいるとざわざわしてるし、それだけで疲れてしまいます。
3は学校以外は「〇〇や△△に近くて便利!」で楽しいかもしれませんが、人通りの多いうるさい道路沿いにある語学学校・・・音に敏感な方はおわかりですね、
「外から入る音で集中できない」
よってロンドンのセントラルから少しだけ地下鉄に乗る場所にあるハムステッドという高級住宅地にある一軒家をそのまま学校にしているところを選びました。
私が通っていた時のクラスの人数は、少ない時は2名、多くても10名以下の人数でしたし(時期やレベル分けによって変動が多かった)、若者が多すぎるということもなく、通っている間は色々文句もありましたが、静かで落ち着いていたし、結果この学校を選んで良かったんじゃないかなと思います。
授業料もそんなに安い方ではなかった(たぶん)ので、変なのも(どんなのだ)いなかったし・・・。
もし30代になってから語学学校に留学する場合は、少々授業料が高い方を選んだ方がいいと思います。
事実この学校にはある程度の語学力をつけて日本で違う仕事につくために、仕事を辞めたり、また長期休暇を利用して留学している日本人(ヨーロッパ系の人も)が多かったです。
30代でも留学するのは全然遅くないですよ!
授業はどうだったか
グラマー、ディスカッション、試験対策(TOEICなど)がありました。ビジネスや試験対策は選択で選べるようになっていました。
午前中だけの授業しか取っていない人もいたので、午後は人数が少なかった記憶があります。
授業内容は講師に任せられていたように見えました、特にマニュアルとかなかったんじゃないかな。
クラスの国別構成は・・・
<注意>あくまでも私が留学していた時のことです。時期などによって違います。
私が初めに入ったクラスは日本人とラトビア人のみのクラスでした・・・。
日本人はだいたいレベルが同じぐらいなので、同じクラスに固まる傾向があります。
これは仕方ないですね。
ラトビア人は国だか会社から集団で留学に送り出されていたらしく、あまり真面目さも感じられず(私の思い込みだったらごめんなさい)、めちゃくちゃイライラしましたよ。
長期で留学しているのは、彼らと日本人、韓国人がほとんどで、ヨーロッパや中南米からの留学生は短期で帰国してました。
なので、ラトビアン+日本人+韓国人に入れ替わり立ち代わりヨーロッパや中南米の人が入っては去っていく・・・という感じ。
ラトビアンとはあまり仲良くなれなかった私ですが、一番仲良くなったのは韓国人女子で、一緒にカフェに行ったりロンドン郊外まで行ったり、日本人のフラットでご飯を食べたり、
「日本と韓国は昔歴史的に色々あって、国同士は仲が悪いかもしれないけど、一人一人にしてみたら仲いいよね~」
とか言いながら授業を一緒に乗り越えてました。
まあその後帰国してからずっと付き合いが続いているかというと、続いてないけどさ・・・。
講師の質はどうか
常勤の先生の質は良かったと思います。
ただ、非常勤(短期)でやってくるスポット的な講師の中にはレベルが「・・・・・。」なのもいたりして、同じ授業を取っていたみんなで
「あの先生どうにかしてください」
と訴えたこともありました(結果講師が変わったんじゃなかったかな)。
いやー、しかし他の国の人と一致団結して、英語でディレクターに訴えるなんて
私、留学してるーーーー!
と感じる一幕ですな・・・。
何て言って訴えたか覚えてないけど。(覚えてないんかーい!)
日本人はディスカッションが苦手
苦痛だったのがディスカッションの授業です。
奥ゆかしい日本人はディスカッションが苦手だと思うのですが、私もとても、いやものすごく、めちゃくちゃ苦手でした。
一度死刑制度について意見を述べ合え、と言われ、
「そ、そんなの真面目に考えたことないよう・・・(泣)」
と私はしどろもどろ。
相手のフランス人から
「・・・・何言ってんだ、こいつ」(と思っているように見えた)
あきれられたーーーーー!!!
いや、彼は単に困っただけかもしれません。
きっとそうでしょう。今ならわかります。
しかし相手の言動を深読みしすぎるHSP気質。
「全然英語喋れないし、絶対にろくに自分の意見も言えない奴だとバカにされたバカにされたバカにされたんだああああああああ・・・」
と激しく落ち込みました。
2-3日立ち直れなかったぐらいです。
今であれば「ごめんなさい、私はその問題に対して向き合ったことがなかったけど、あなたはどう思う?」と聞き返すこともできよう。
そう続ければ会話がつながったんでしょうが、当時の私はそんな会話スキルと会話に対しての頭の回転力を持っていなかった・・・。
ただ、相手の態度にビビってしまって、激しく落ち込むという・・・。
気にしすぎなんだよな~。
これは今でも治らないですね。付き合っていくしかないですね。仕方ないなあ。
なので、もし今から留学を考えてる方がいたら、
「海外では自分の意見をはっきり言うこと、自分の考えをしっかり持つこと」
に気をつけてください。
今のお若い方は学校の授業のグループワークなどで発表する機会も多そうなので、多数の前で意見を述べることに慣れている人もいるかもしれませんが、私たちの時代は大学の授業は受け身ばっかり。
「自分の意見を述べる」ということに慣れていないのです。
ましてや英語でなんて
どうしたらいいんだ!!
ほんっっとうに苦労しました。
自己嫌悪に陥ること毎回でした。
語学学校でのアクティビティについて
語学学校がやってくれているアクティビティとしては、ミュージカルの団体鑑賞みたいなの、卓球トーナメント、裏庭でバドミントン、カラオケ、パブ、フィッシュ・アンド・チップスを食べに行く、あと学校から近郊への観光ツアーの申し込みもできました。
もちろん強制参加なんて一切なし。興味がなければ参加せずともOK。
ロンドンは学生割引があちこちであり、学生証(語学学校でも作成可能)を見せるとミュージアムが無料になったりすることもあって、お金切りつめ生活の私にとってはとっても助かりました。
カラオケ
日本のようにカラオケボックスではありません。
カラオケの機械はだいたい1台。そこで歌う人の歌をみんなが聞きながら盛り上がる、というタイプのカラオケバーには3ヶ月ぐらい経って慣れた頃からみんなでワイワイと行くようになりました。
今考えるとよくあんなうるさい所に行ってたなあと思います。日本では考えられんな・・・。
日本だったら
「うるさい!」
と顔をしかめてとっとと退散するところですが、これが留学マジック。
日本では楽しいと感じられないこともなんか知らんが
楽しく感じてしまう~
思うに、日本にいると私たちHSPは、色々敏感に感じ取ってしまいすぎて楽しめることの幅を狭めている気がしませんか?
海外だとタガが外れるのか、「不快アンテナ」の精度が落ちるのか、より楽しいことを感じられるようになっていたように思います。
まあカラオケにしろ、パブにしろ、初めは行っても
一言もしゃべらない不気味な奴・・・
だったので、1-2回参加して行くのをやめていたのですが、常勤の先生(毎回誰かが参加する)とも仲良くなった3ヶ月を過ぎた頃からは頻繁に参加してました。
やっぱり留学していきなり英語で知らん人と仲良くするなんて私には無理なことだったのですね。
時間はかかりましたが、慣れてくると海外の方が楽に生活できてたなあ。
近郊への観光ツアー
近郊への観光ツアーへは、あまり慣れていない初めの頃日本人と一緒に行ったのですが、日帰りとは言え結構長時間バスに乗るので、
気を遣って
めちゃくちゃ疲れた・・・
記憶があります。
1-2か月経ってなんとなく人となりがわかってから行くべきであった・・・。
1人のが気楽・・・。
友達はできる?
HSPでも海外留学で友達はできるよ
大丈夫です!!
積極的に話しかけていればHSPだろうと、30代に突入していようとできます!
むしろ一人でみんなより年上だったために、相談にのったり、頼られたりしました。
HSPの人は人の話もよく聞くし、その辺信用されるんじゃないですかね(想像)。
上にも書いたように私は韓国人やトルコ人、中南米から来た(国忘れた・・・)留学生と、ご飯を食べたりミュージアムやロンドン郊外に行ったり、ミュージカルを観に行ったりするような友達にはなれました(友達という定義は人によると思うけど)。
まあ日本人でつるむのは仕方ないというか、安心するというか、やっぱり日本人同士が一番仲が良かったですが・・・。
人間関係の距離感がちょうど良かった
もちろん私がめちゃくちゃ社交的で友達いっぱいだったわけではありません。
かなり少なかったと思う。
表情もあまり表に出ないし、楽しそうにしてるわけでもないので、得体がしれないと思っていた人もいたんじゃないかなあ。
まったく損しますね、この性格。
留学したからといって人間怖い怖い病やHSP気質が直るわけじゃありません。
しかし、向こうでの人付き合いはドライなので気が楽でした。
必要以上にべたべたするわけでもないし、もっと仲良くしよう!という感じでもなかったので、距離感がちょうど良かったのかも。
たとえ時間に遅れる、約束を忘れる(それもどうよ・・・)ということがあっても
「ここ、ロンドンだし・・・そんなこともあるさ」
で済ましていたのかもしれません。色んな人がいたし、周りが自由すぎていちいち反応してられなかった。
結局語学学校以外の友達はできなかった
どうにか世界を学校以外に広げようとヨガに行ってみたり、ボランティアを探してみたりしましたが、結局私は語学学校以外に輪を広げることができませんでした。
アルバイト(確か当時のビザでは短時間のアルバイトはできた)とかすると広がるのかもしれませんが、その当時はどうしても日本料理屋とかになっちゃうんでね・・・。
トルコ人がスターバックスでバイトをしていましたが、ただでさえ英語が聞き取れないのに、そんな度胸はありませんでした。
怖くてできないよう・・・。
留学に行く前に同じ職場だった人がロンドンに住んでいたので、その人のお知り合い(日本人)ともお会いしましたが、
「みなさん大人でしっかりしているなあ・・・」
と感心するだけでそれ以上のお付き合いはありませんでした。
私の場合、自分に自信がないから、相手に引け目を感じてしまうと必要以上に萎縮しちゃうので、自分から距離を取ったのかもしれません。
基本的に一人が好き
HSPの皆さんが全員そうかどうかわかりませんが、基本的に私は一人の方が好きなので、あまり気にせず一人であちこち行ってました。
しかし留学に行く前の日本では
「こいつ一人で来ていて、友達もいないさびしい奴なんじゃないか」
と思われたらどうしよう・・・とか周りの目を気にしていましたが(誰も見てねーよ)、留学中はガンガン一人でミュージカルや美術館巡りを楽しんでいたので、日本に帰ってきてからも一人でカフェに入ったり、海外旅行に行くのがまったく苦にならなくなりました。
大人になったのう・・・。
留学中の心の動きについて
当時の日記を見返してみると、えっらい気持ちの浮き沈みが激しくてびっくりしました。
日本にいると沈む時は沈み、あまりものすごーく浮き上がることがないのですが、留学中はそのアップダウンの波が激しかったです。
なんですかね、あれは・・・。
とにかく英語が上達しないことにものすごく落ち込んでいたので(ディスカッションで話せなかったのもそのひとつ)、ダウンに関してはそれ以外のことにあまり気を回せなかったと思われます。
気持ちが上がることは結構あって、例えば
・社交性がないと思っていたけど、ハロウィンパーティに勇気を出して行ってみたら意外と楽しかった!
とか、
・友達でご飯を食べに行ったら楽しくて良かったー!
と日記に書いてあり、本当にささいなことでとても喜んでますな・・・。
今、そんな小さなことで喜んでるか?
と自問自答。
もちろん友達と会ってしゃべるのは楽しい。
が、これほど新鮮な感動をともなっているだろうか?
いや、ない・・・(ような気がする)。
やっぱり留学中は感情がものすごく豊かになるので、悪い方への敏感さ、繊細さではなくて、良い方へアンテナが伸びていたようです。
わかんないけど、思い返すとそんな気がします。
まあ度々英語上達しない落ち込みが襲ってきて、
「もう英語聞きたくないし、話したくない~」
となっていたようなので(日記に書いてあった)、日々その落ち込みとの戦いだったんですがね・・・。
海外留学で語学力は上がったか
語学上達にはセンスも必要
上がりませんでした!
というか、自分ではわかりません。TOEICの点数もそんなに帰国後に爆上がりしたわけじゃないしなあ(スピーキング・ライティングテストを受けたらそれは思ったより良かったけど)。
はっきりと理解したのは
「私は語学のセンスがない」
ということ。
私は語学学習の上達に必要なのは
- お金
- 努力
- センス
だと思っています。
お金は英会話スクールに通ったりある程度のお金をかけないといけないと思うので・・・。
努力は当たり前として、あと、やっぱりセンスです!
言語的センスのある人は、英語に限らず複数の言語をものにできるんじゃなかろうかと思う今日この頃。
私はお金をかけ、努力をしたけれど、半年ぐらい留学して語学学校に行ったぐらいじゃ「仕事などでバリバリ使える英語力」は身につかなかったというわけです。
しかも使わないからどんどん忘れてるし。
でも後悔はしていない
留学に行ったから気づけたこと
他の記事でも書いていますが、HSPの気質を持って留学したことに後悔はしていません。
今回日記を読み返していて、気づいたことがあります。
自分は自分で思うほど嫌われていないんだ
ということ。
私は人と会うとまず
「この人私のこと嫌いなんじゃないか」
から入ってしまうので、向こうがなんとも思っていなくても
「きっと私のこと嫌いなんだろうなあ」と思い続けてしまうきらいがあります。
被害妄想だな!
ですが、留学前に色んな人からもらったメッセージを留学中に読み返し、日記に以下のように書いていました。
「皆さんからの励ましメッセージを見ていて、涙が出てきた。みなさんから愛されてたのね・・・嫌われてると思ってた。これに気づけただけでも来てよかった」
HSPあるある、どんだけ自己肯定感低いんじゃ!という感じですね!
そもそも嫌いな奴に励ましメッセージ送るかっての!
さすがに長い付き合いの人から嫌われているとは思いませんが、職場レベルの人だと
社交辞令かしら・・・、
と疑っていたようです。
もっと人を信じて自分を認めてあげようよ・・・
と言いたいですなあ。
あと人に感謝することが多かったです。
インターンシップで行き詰って悲しくなった時に語学学校の先生にかなり励ましてもらいまして、思わず泣いてしまったほどです。
元同じ職場のロンドン在住の方にもほんっとうに色々お世話になり、これも感謝感謝でした。
いま、人にこんな感謝することがあるだろうか・・・
(というか、感謝を感じているか?)
いや、ない。
そんな経験ができただけでも、自分にとっては良かった、君は頑張った!と言ってあげたい!
というわけで、今回は語学学校を中心に書いてきましたが、HSPであろうと、30代であろうと、留学では得るものは多かったということです。
日本より感情が豊かで息がしやすかったしなー(遠い目)。
早く気軽に海外に行ける日々が戻って来てほしいものです。
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