「敏感すぎて疲れる・・・⑥ HSPは海外でのストレスに耐えられるか?」でも書きましたが、私は30歳をいくつか越してからロンドンに半年ちょっと語学留学をしてきました。
その当時はHSPという概念は知りませんでしたが、今と変わらず生きにくくて仕方ない毎日でした。
でもそんな私でもどうにかロンドンでの生活を終え、無事帰国することができました。
もしHSPや年齢や英語が話せないし・・・ということが原因で留学をためらっている人がいたら、
「怖がらずに一度行ってみて!」
と言いたくて改めて詳しく記事にすることにしました。
新型コロナウィルスのため、以前ほど気軽に海外に行くことができない状況ではありますが、それでも海外で新しい世界を見ることをあきらめないでほしいと思います。
30代で海外留学に行こうと思ったきっかけ
英語大嫌い野郎だった私
きっかけは笑われたこと
私は学生時代英語が大嫌いでした。
海外にも特に興味なし。
よく留学経験者から
「小さいころから外国にあこがれて、大学生になったら絶対留学しようと思っていました」
とかいう話を聞きます。
そんなこと1ミリも思ったことねえー!!
むしろ大学時代も日本大好きで日本古代史専攻したぐらいだし・・・。
大学卒業後も何がやりたいかよくわからず、夢も特になく、なんとなく契約職員として働き始めました。
したらば、その職場は外国人の研究者の来訪や電話がかかってくることが多い!
なんてことだ!
ある日電話を取ったらガイジンさん!!わたわたと電話を英語の喋れる人につなごうとつたない英語で話してみたものの・・・
笑われた!!!!!(怒)
今までびくびくと周りの人の気を遣い、波風をおこさないように静かに生きてきた私ですが・・・
めちゃくちゃ腹が立った!!!!!!!
なんで英語が話せないだけで見も知らずのガイジンに馬鹿にされないといけないのだ。
その外国人研究者は、ひょっとしたら「頑張ってるね」程度にふふっと笑ったのかもしれません。しかし何ごとも深読みをし、敏感に反応してしまう悲しい性格。
ものすごく馬鹿にされたような気がしたのです。
ようし、英会話を習ってやろうじゃないか!!おう、ぺらぺらになってお前を鼻で笑ってやるからな!
見てろよ、ジョン!!(そんな名前だったか知らんけど)
というわけで一念発起して英会話スクールのAEONに通い始めました。
HSPの人におすすめの英会話スクール
英会話スクールはグループレッスンだったので、中にめちゃくちゃ積極的にしゃべる人がいるとそれだけで緊張して何も話せなくなってしまう・・・。
また、あまり話さない人がいるとその人が気になってわざと話を振ったりして、
なんで私がほかの人に気を遣って授業を回さないといけないんだ!
ということにも度々おちいりました。が、まあそれなりに楽しく通うことができたのは、私にしてはめずらしいことです。
なんで続いたのかなーと改めて考えてみると
・少人数制のクラスだった
・ほかのクラスの声が聞こえない個室でのレッスンだった(ほかのクラスの声が聞こえると集中できない)
・この人苦手、という人がいる曜日は避けて別の曜日に変更が可能だった
・先生がイケメンだった
まあイケメンかどうかは置いておいて、AEONの教師の質は高いんじゃないかなと思います。
英会話スクールは山のようにありますが、HSP気質の方は体験レッスンをあちこち行ってみて、レベル分けがきちんとされているか、違うクラスに振り替えが可能かどうか、周りのレッスンの声が響いてこないか、多くても4人までの少人数かどうかを確認した方がいいと思います。
マンツーマンレッスンもいいのですが、それはそれで相手のことばかり気になってしまうので、日本人2、先生1ぐらいが理想的かも(もう一人が話している間に考えられるし)。
すべてに閉塞感を覚えていた毎日
その当時、夢もやりたいことも何もなくて、私は生きていくことにもすべてに息苦しさを覚えていました(今もだけど)。
楽しいこと何もないし・・・このまま生きて腐っていくだけ???
街ゆく人がみんな楽しそうに幸せそうに見える…(涙)
自律神経失調症でしょっちゅう目が回っており、職場の管理職のババアには
「病気なんだったら契約更新できませんよ」
と言われ、さらに自律神経が失調して調子が悪くなるという悪循環。
どうにかしてこの息苦しい世の中から脱出したい・・・逃げ出したい・・・どうしたらいいんだ・・・
そうだ、外国に行こう!(えらい簡単だな・・・)
唐突に私の頭の中に「留学」という目標が初めてできたのです。
留学カウンセラーから言われたひとこと
留学について調べている時にとある留学エージェントの留学カウンセラーに言われたひとこと。
「それって、あなた、単に現状から逃げ出したいから留学を逃げ道にしてるんじゃないですか?」
ガーーーーーン!!
その時は図星だったので、とても落ち込みました。
たぶん家に帰ってきてから泣いたんじゃないかな。
繊細な女性に無神経なひとことだと思いませんか?
そのカウンセラーは元々海外留学という目標があり、それに向けて若い時から準備をし、立派に実行に移して充実した日々を過ごして帰国したのでしょう。
そんな自分に自信があり、この世から消えてなくなりたいとかあんまり思ったこともないのでしょう(想像)。
当時は今ほど熟成した考えができなかったので、グズグズめそめそしましたが、今となっては
「逃げるの上等!それが何か?」
と言ってやることができます。
繊細な人は色んなことを考えすぎて影響を受けすぎてしんどくなる。
我慢して頑張りすぎると本当にうつになって、動けなくなってしまうんです。
頑張りすぎて壊れちゃうなら逃げた方がいい。
逃げて心をリセットした方が何百倍もマシです。
留学の種類は?
色々調べました。
行先はイギリスに決めていたので、年齢制限でワーキングホリデーは無理。
色んな大学や語学学校が集まる留学フェアにも参加しましたが、会場がうるさすぎて早々に退散。
費用を安くあげようと、現地のお年寄りのボランティアと語学留学を合体させた留学というのも説明を聞きに行きましたが、どうもバイタリティーが足りないとダメっぽい。
お年寄りのおうちにいったらお年寄りが亡くなっていた、なんてこともあるようなので、気にしすぎ、心配しすぎという私には精神的負担が大きすぎるのではないかと思い、こちらも却下。
結局無難ななるべく小規模な語学学校での英語の勉強に、ミュージアムでのインターンシップをプラスしたものにしました。
帰国後の心配は
仕事を辞めて行きますからね・・・当然帰ってからどうするんじゃい、という不安はありました。
が、どうにかなるんじゃないか、と正直あんまり考えてませんでした!
とにかく「留学に行く」という目標に向かって突き進んでしまったようですな・・・今考えると
「もうちょっと現実を考えろよ、君・・・」
と自分自身に言ってやりたくなりますな。
途中で帰るハメにならなかった理由は
周りを気にしすぎず、自分が出せて楽だった
実際に留学に行ってみて、どう感じたかは
「敏感すぎて疲れる・・・⑥ HSPは海外でのストレスに耐えられるか?」
を読んでいただければわかるのですが、私は自分を正直に出せるのでとても楽ちんでした。
周りも自己主張が激しいので、それに合わせてこちらも主張する。
まあもちろん初めからうまくいったわけではありませんが、結果日本にいる時よりも数倍生きていくのが楽でした。
何か振り回されるようなことがおこっても、
「ここ、日本じゃないからしょうがないか」
とあきらめがつくので、耐性ができるというか、日本人の常識ではありえないことばかりおこるので、いちいち気にしていられません。
それよりも英語を話せるようにならなくちゃ!という方に神経がいっていたので、あまり気にならなかったですね。
30オーバーの留学だったこともメリット
私が30を過ぎてから留学したから、というのも、私にとってはタイミング的に合っていたと思います。
実際語学学校では誰よりも年上だったので(先生も年下)、
「若いもんはいいのう・・・」
的な一歩引いた目線で見れたのも良かったのかもしれません。
10代で行っていたら、人生経験もないし、人間的に未熟なので尻尾を巻いて帰ってきたと思います。
ホームステイ先が自分に合っていた
HSPの場合、海外留学では寮やシェアハウスは避けた方がいいと思います。
お金はかかりましたが、ホームステイを選び、小さい子供のいない家庭でなおかつ一人部屋をリクエスト。
住んでいるのはおばあさん一人のおうちでした。
時たま短期でヨーロッパ系の女の子が出たり入ったりしましたが、長期でいるのは私一人で、シャワーなどもかち合うことがなく、家族でワイワイするから参加しなさい、などということもなく(クリスマスの時期は家族で過ごすからと反対に追い出されたけど)、一人部屋にこもることもできたので、とても快適でした。
ぜったい一人になれる環境、うるさくない環境の場所を選ぶべきです。
好きなものが周りにある環境だった
私はミュージカルが好きなのですが、ロンドンは学生だと割引チケットで観劇することができます。
毎週のように舞台を観に行き、時には映画のスクリーンの中でしか観ることができないと思っていたイギリス人俳優が出ている舞台を観に行くこともありました。
滞在2週間目ぐらいにミュージカルでユアン・マクレガーを観たときは
「ユアンの実物だあ~ロンドンに来てよかった!」(感涙)
と素直に思いましたよ・・・(ミーハー)。
絵画好きの私は展示室に住んでもいい・・・と思った美術館に、毎週のようになんなら授業をさぼって通ったりもしたので、その辺で負の感情をコントロールできていたのかも。
やっぱり好きで興味のあるものが身近にある国と地域を選ばないと行ってもつまらないですもんねー。
帰国後の変化は?
変わった点としては
- 自分の意見を言えるようになった
- ひとつのことをやり遂げたという自信がついた
- 新しい場所に積極的に行くことに躊躇がなくなった(仕事は除く)
それまで自分に全く自信がなかったのですが、何をしても長続きしない私が紆余曲折はあったものの、ひとつのことをやり遂げることができた、ということは大きな自信になりました。
HSPがマシになったとか、性格が明るく社交的になったとか、人間怖い怖い病が治ったとかは残念ながら・・・全くありません。
私は帰国後についた仕事で頑張りすぎてうつになったわけですが、この留学がなければやりたいと思う仕事も見つからなかったし、出会って良かったと思う人にも出会えなかったと思うと、別段英会話がペラペラになったわけでもないですが、私にとって留学経験は貴重な財産です。
色々ありましたが行ってよかったと本当に思っています。
留学が合わないHSPの人もいる
初めにも書きましたが、これはあくまでも私の留学の場合です。
HSP気質の人は周りの環境に左右されやすいので、環境が変わるとついていけなくなることが多々あります。
実際、留学3日目に学校に出てこられなくなった大学生の男の子もいましたし・・・(HSPかどうかはわからない)。
なので、もし留学やワーキングホリデーに行こうかどうか悩んでいるなら、1週間ぐらいの短い留学体験をまずしてみることをおすすめします。
1回経験しておくと雰囲気もわかりますし、本当にそれが大金をかけて自分のやりたいことなのかどうかという見極めもできます。
私はイギリスに1回も行ったことがなく、いきなり半年以上滞在するという荒業をやってのけましたが(合わなかったらどうするんじゃい)、旅行でもなんでもいいので、1回はその国を訪れる方が絶対にいいです。
挑戦せずにあきらめてしまうのはもったいない!仮に失敗したってそれは何らかの形で自分自身の肥やしになると私は思います。
と、今回はHSP30代の私が「なぜ留学に行こうと思ったのか」「行ってみてどうだったのか」をざっと書きました。
HSPの視点から見た語学学校について、ロンドンでの生活についてなどはまた別の記事で改めて書いていく予定です。
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