来館日:2022年 3月6日(日)
開催場所:奈良国立博物館
観覧料(税込み):1,400円(当日券)
展覧会基本情報
期間:2021年2月5日 (土)~2022年3月27日 (日)
場所:奈良国立博物館
特別展 国宝聖林寺十一面観音 三輪山信仰のみほとけ とはー
仏教伝来以前の日本では、神は山、滝、岩や樹木等に宿ると信じられ、本殿などの建築や、神の像はつくらず、自然のままの 依り代を拝んでいました。その形が現在まで続いているのが三輪山を御神体とする大神神社です。その後、国家的に仏教を興隆した奈良時代には神と仏の接近が見られ、神社に付属する寺がつくられました。大神神社にも大神寺(鎌倉時代以降は大御輪寺)が建てられ、仏像が安置されました。
明治元年、新政府により神仏分離令が発せられると、寺や仏像は苦難にさらされますが、大御輪寺の仏像は、同寺の住職や周辺の人々の手によって、近傍の寺院に移され、今日に至ります。
本展では、かつて大神寺にあった国宝 十一面観音菩薩立像(聖林寺蔵)、国宝 地蔵菩薩立像(法隆寺蔵)などの仏像と、仏教伝来以前の日本の自然信仰を示す三輪山禁足地の出土品などを展示します。
公式HP
この記事では
「特別展 国宝聖林寺十一面観音 三輪山信仰のみほとけ」の
- チケット購入の仕方
- 独断と偏見による見どころ
- 見終わっての感想
- 当日の混雑状況
- 奈良国立博物館周辺のランチ、お茶どころ情報
- 参考図書(DVD)
を書いていきたいと思います。
チケットの取り方 オンラインでの時間指定はあるのか?
今回の展覧会では時間指定をしてのチケット事前購入はありません。
当日博物館で購入しても良かったのですが、窓口が混雑していると困るので、念のため事前にローソンのLoppiでチケットを購入して行きました。
当日の混雑具合は?
まったく行列することもなく、すんなり入れました!
行ったのは日曜日でしたが、あまり混んでおらず人もまばらだったため余裕をもって見ることができました。
なんでしょう、本当にこういう展覧会が好きな人だけが見に来ている感じ・・・。
(冷やかしというか、なんかわかんないけど見に来たという人がいない)
とても見やすかったです。
特別展「国宝聖林寺十一面観音 三輪山信仰のみほとけ」 見どころ
さてさて、今回は仏像を見るためだけにこの展覧会に訪れた私。
ほかの展示品は申し訳ないですが、スルーでございます。
十一面観音菩薩立像(聖林寺)
見どころは何といっても
聖林寺の十一面観音
でしょう!
聖林寺は近鉄・JR桜井駅からバスで向かわないといけないため、なかなか足が向かないお寺であります。
まだ行ったことがありません。
現在十一面観音の新しいおうち(収蔵庫)を作るためのクラウドファンディングをしているようです。
総工費1.6億円・・・。
一人住まい(かどうか知らないけど)のわりに、ものすごい高級住宅ですな・・・。
それはさておき、十一面観音菩薩立像。
公式HPでもじっくり見ることができますので、見たことのある方は余韻に浸り、まだのかたは「こんなお姿なのか・・・」と、ご確認いただけます。
360度ガラスケースに入っていない状態で見ることができるのは、この奈良展のみだそうです。
ガラスケースに入っていると周りの光や、人が映りこんでしまったりしますからね~。
遮るものが何もない状態での見仏はありがたいです。
顔立ちは少し厳しい感じもしますが、見とれるのはその全身のバランスの良さ。
まさにパーフェクト!
そのままスーーーーっとセグウェイみたいに進んできそうです。
やー、このお方をこの状態で見ることができるだけでも来たかいがありますよ!!
日光菩薩立像・月光菩薩立像(正暦寺)
正暦寺もとても行きにくいところにあるので、奈良市までお出ましいただいたこの機会にじっくり見てしまいましょう!
日光はちょっと笑っているようにも見え、どっしりしています。
月光はそれよりも「無」というか「静」を感じる。
ともにしなやかな体つきですが、それぞれに作風が異なっているのがわかります。
日光・月光コンビはだいたい薬師如来を挟んで立っているので、このようにお隣同士で並んでいるのを見ることができるのは珍しいのかも。
(違ってたらごめんなさい)
もともとは同じ寺に安置されていた仏像の同窓会
上記の十一面観音菩薩立像、日光菩薩立像、月光菩薩立像はもともと大神神社内の大御輪寺に安置されていたものの、明治時代の神仏分離令によりバラバラになってしまったとのこと。
その三体が一堂に集められた今回は同窓会状態(?)。
廃仏毀釈とか神仏分離令とか人間の勝手で移動を余儀なくされたり、ものによっては壊されてしまったものや放置されて朽ち果ててしまったものもあったでしょう。
仏像も迷惑なことです。
三輪山絵図(江戸時代)
私が見た時は江戸時代に描かれたものが展示されていたのですが、これを見るといかに大神神社の規模が大きかったかわかります。
三輪山をご神体とする「古来の信仰のかたち」の中に、お寺が建てられて仏像が祀られるというのはなんとも不思議な感じがします。
現代では「お寺」「神社」と分けられていますが、明治時代以前は混然一体となってあることが普通の信仰のかたちだったんでしょうね。
見終わっての感想
空いていたな・・・
展示数が少なくて良かったな・・・
仏像もっと見たかったな・・・
というのが正直な感想です。
今回はブツ(仏像)が目当てだったので、ほかの展示物はほとんどすっ飛ばして見てしまいました。
なので、もう少し仏像にお出ましいただきたかったかもしれません。
(関係のある仏像があまりないのかもしれないけど)
お寺で見ると、あたりがうす暗かったり、遠くにいらっしゃって
「全然見えない・・・(悲)」
ということが多い仏像。
このように明るい中で360度から見渡せるのはいい!
としか言いようがないです。
しかも至近距離まで近寄れる!
正直
「本来おわす所以外で見る仏像はいかがなものか・・・」
と思っていたのですが、信仰の対象というより美術作品(フィギュアっぽく見ているのかもしれない)として見ている自分に気づいたので、どんどんお外にお出ましいただきたいものです。
奈良国立博物館ランチ・カフェ情報
ランチは近鉄奈良駅近く東向商店街のイタリアン
近鉄奈良駅周辺は以前とは比べ物にならないくらいランチやお茶するところが増えました。
「近鉄奈良駅 ランチ」
とか検索するといっぱい出てくる。
以前は何にもなかったんですけどね~。
今回はパスタが食べたかったのでこのお店を選んでみました。
オステリア ユルリ です。
近鉄奈良駅からすぐの東向商店街にあるお店です。
パスタランチ(サラダ、パスタ、パンor土鍋ご飯、デザート、ドリンク)1,430円。
パスタは自家製サルシッチャ(ソーセージ)と野菜のトマトソースのショートパスタをいただきました。
くるくるしたこのパスタは食べたことがなく、野菜多めで美味しかったです。
パスタにはだいたいパンがついてきますが、こちらでは土鍋ご飯も選べました!
2階に細い階段を上がって行くわかりにくい造りのせいか、かえって落ち着けるお店だったので、また奈良に行くことがあったら寄りたいと思います。
お茶は近鉄奈良駅近くの春日ホテル
ちなみにお茶はこちらも近鉄奈良駅そばの春日ホテル和風レストラン春日で。
たぶん観光シーズンはめちゃくちゃ混むと思うのですが、シーズンオフのせいか空いていました。
プリンとお抹茶のセットをいただきました。
はちみつをかけて完食!
展覧会を見るうえでの参考図書
『見仏記』いとうせいこう みうらじゅん 角川文庫
2022年4月時点で文庫8巻まで出ています。
とにかく難しく考えない仏像の見方を教えてくれる本です。
聖林寺の十一面観音については、1巻と6巻に記載があります。
『新TV見仏記2天理・桜井編』
こちらは書籍ではなくDVDですが、同じくいとうせいこう、みうらじゅん両氏が聖林寺に訪れる編です。
「この十一面(観音)があって、ほかの十一面(観音)を見てるから・・・」
と言わしめた聖林寺の十一面観音菩薩立像。
その方を前にして、お二人は何を語るのか?!
今回の展覧会を見る上で参考になる書籍(DVD)は少ないですが、以上です。
それにしても奈良は地図上で近く見えてもあなどるなかれ。
結構歩くので、歩きやすい靴の方がいいです。
ヒールのある靴より歩きなれた靴で。
鹿のフンを踏むかもしれませんしね!