来館日:2022年 2月27日(日)
開催場所:アサヒビール大山崎山荘美術館
観覧料(税込み):900円(当日券)
展覧会基本情報
期間:2021年12月18日(土)-2022年3月6日(日)
場所:アサヒビール大山崎山荘美術館
みうらじゅんマイ遺品展とは・・・
「マイブーム」、「ゆるキャラ」などの命名者であり、イラストレーター、漫画家、エッセイスト、ミュージシャンなど幅広く活躍するみうらじゅん氏が、長年にわたり収集・制作し、自ら「マイ遺品」と名づけた品々を、みうら氏の出身地である京都の地で一挙に公開いたします。
アサヒビール大山崎山荘美術館公式HP
この記事では
「みうらじゅん マイ遺品展」の
- 独断と偏見による見どころ
- 見終わっての感想
- 当日の混雑状況
- 参考図書
- アサヒビール大山崎山荘美術館のカフェ情報
- アサヒビール大山崎山荘美術館への行き方
などをご紹介していきたいと思います。
アサヒビール大山崎山荘美術館までのアクセス
最寄り駅はJR山崎駅、阪急電鉄大山崎駅です。それぞれから送迎バスが出ていますが、歩いても10分ぐらい。ただ、けっこうな坂道なので、それがしんどい人はバスを利用した方がいいでしょう。
こちらは阪急大山崎駅前のバス乗り場。
私は阪急大山崎駅から歩きました。
改札はひとつなので、改札を出てセブンイレブンを正面に左へ
ちょっと歩くとこの標識が見えてくるので、そのまま進み、JRの踏切を渡ります。
踏切を渡るとすぐに「天王山登り口」が。これをひたすら上ります。
標識通りにひたすら上ります(夏は暑い)。
このトンネルが見えてきたらもうすぐです。
ようやく到着~。
私だったら絶対ヒールの靴では行きません(そもそも持ってないけど)!!
ハイキングコースにもなっている道ですからね~。
当日の混雑具合は?
次の日曜日で終了ということもあり、13:00過ぎに行ったらばとても混んでいました。
私は何度か大山崎山荘美術館に行ったことがありますが、こんなに混んでいるのは初めてです。
みうらじゅん御大といえばサブカル好きな人が訪れるだけかと思っていたら、老若男女、家族連れまでも巻き込んでの大人気。
正直そんなに混んでいるとは予想していなかったので、びっくりしました!
独断と偏見による見どころ
展示内容
〈みうらじゅん氏によるメッセージ〉
アサヒビール大山崎山荘美術館公式HP
描いたもの、書いたもの、録ったもの、貼ったもの、作ったもの、まとめたもの、集めたもの、などなど―
ごちゃまんと溜ってしまったこれらのものをある時から『マイ遺品』と、呼ぶようになりました。
それは何も後世に残す企みではありません。これから先(グレイト余生)も、まだまだ溜ってしまうであろうことからの言い訳として考えついたネーミングです。
だから、これから御覧になるみな様は、単なるコレクションだと思わずに“へぇー、みうらじゅんってこんな人だったんだ”と、気持ちを盛ってその品々に思いを馳せて頂くようお願いします。あくまで“プレイ”で構いませんので。
京都で生れ育ち、18歳の夏までいました。それから後はずっと東京。本展示はその全貌ではありませんが、何かを表現してなきゃストレスが溜る男の執念をどうかよろしくです。
みうらじゅん
みうらじゅん氏が収集・制作したモノをとにかく一挙公開!(それでもたぶんほんの一部のはず)
みうらじゅん氏は気になるとそれがどんなものであろうと、誰が買う?、たとえ人にあげたら嫌がられる「いやげ物」であろうと、集めに集めて集めまくる・・・。
そしてそれを捨てることなく保管しておく。
もはや民俗学の収集品と同じレベル。
将来は国立民族学博物館か国立歴史民俗博物館のコレクションにしちゃってもいいんじゃないでしょうか。
見どころは「すべて」
うーん・・・この「マイ遺品展」見どころを書くのがとても難しい・・・。
とにかくみうらじゅんが集めに集めたもの、小学生時代から書きに(描きに)書きまくってきたもの、を見てください。すべてが見どころです!としか言いようがありませーん。
以下その中からいくつかご紹介です。全部は書ききれません!!
※印がついているものは、『いやげ物』みうらじゅん ちくま文庫 に掲載あり(参考図書の紹介欄にリンクを張っています)
いやげ物系
●ヘンヌキ※
「栓抜きである必要がどこにあるのか?」
土産物屋で昔はよくキーホルダーと一体化して売られていた、変な奴だ!
●ヌードペン※
一昔前チックなボールペンにヌードのお色気お姉さんが描いてある。みうらじゅん氏が描かれたものもあり!
●ヘンジク※
一昔前のお土産物屋で良く売られていた「京都」や「東京タワー」などの文字とともに、ものすごーいセンスのハデハデな絵が描かれた「こんなもの誰が買って誰がどこにかける?」な掛け軸。
買う人はここにいた・・・(しかもいっぱい)
みうらじゅんだ!
●ひょうたん君※
そのまま、ひょうたんで作られた人形!なぜか鼻毛かヒゲかわからないものが飛び出ているおやじ顔が多い。
だらーんとした手足、マヌケすぎる顔・・・。
誰が買う?
みうらじゅんだ!
●金プラ※
これも一昔前の土産物屋を席捲したあいつだ!
金ピカ縮尺のおかしな東京タワーや大阪城の隣にはなぜか温度計。
こんなんで温度を測る奴がいるのか?
メッキがはがれたとはまさにこのことだ!
●ヘンザラ※
灰皿をここまでおかしくする必要があるのか?!
無理やり灰皿に改造された鯉、ブンブク茶釜!
意味不明!!
●打ち出のこづち
なんでこれにこだわるのか?!
●シィビン(尿瓶)
「アントニオ・カルロス・ショビン的ボサノバ風味が出てオシャレ」って意味わからない!
なぜ尿瓶を集める意味がある?!
写真撮ってもOK!
展示場の一部では写真がOKになっていたので、撮りまくりました。中身は写真を見てご理解ください。
●フィギュ和
●ギャップ
個人的には最下段左の「土方歳三」がカッコいいと思う・・・。
●ゴムヘビ
●甘えた坊主※
●カニパン
カニパンってなんだろう、と思ったら・・・
カニのパンフレットかーい!
●冷マ
それは冷蔵庫に貼るマグネット・・・。
みうらじゅんといえば「ゆるキャラ」
●自ら、ゆるキャラ制作
ムカエマ
神社やお寺に奉納?されたムカつく絵馬!
アウトドア般若心経
路上にある看板の文字などから般若心経を。
いつでもどこでも心に般若心経。
飛び出し坊や
小学生の通学路などによくある「飛び出し注意!」の看板。
確かに年季が入っていていい味出しているものもあり!
いとうせいこう氏との共著『見仏記』でも、たびたびみうらじゅん氏がこの飛び出し坊やを撮るためにタクシーを停めた、という記述が出てきます。
大山崎山荘美術館にあちことにも坊や(?)が・・・。
ツッコミ如来立像と菊人形
もはや何をツッコんでいいのかわかりません!
天狗ブーム到来!
SINCEとはなんだ?
「SINCE〇〇」の〇〇がなかったら、意味ないじゃん!
スクラップ系
みうらさんは雑誌スクラップも膨大な数になっているそうで・・・。スクラップブックに貼りつけ、イラストなどを書き込むということを小学生時代からされていたそうです。
それも展示してありました。
●仏像スクラップ
即身仏についてのページに書いてあった一文(1972年)。
「三島(由紀夫)はクビを落とされ死んだ。この男はミイラになって死んだ。私は静かな土に安らかに死にたい」
●怪獣映画スクラップ
●無意識スクラップ
コロナ禍に溜めに溜めていた雑誌スクラップを貼りまくった作品。これは薄い布?に印刷され、カーテンみたいに制作したものを壁一面に貼りつけてありました。
コロナ画55(ゴーゴー)
こちらも無意識スクラップと同様、コロナ禍に描かれたもの。
見終わっての感想
とにかく人が多くて疲れました~。
(最近人の集まるところに行かないので)
もともと個人の山荘を美術館にしており、展示場として建てられているわけではないので、これだけの人が入ると正直見にくいです・・・。
そして作品点数(というか収集したもの)が膨大で頭がついていかない!!
もともと『見仏記』でみうらさんに興味を持ち、見仏の心の師匠とあがめており、『TV見仏記』も見ているので、みうらさんの指向はなんとなく頭に入っていたのですが・・・。
それ以上でした。
それ何か意味あんの?ということでも極めれば、意味が出てくるということの見本のような気がします。
みうらじゅんの頭の中ってどうなってんの???どんだけアンテナが広がってるの???と
ますます興味が出ました。
開催に当たってのインタビューで
「民芸状態になっているから、この美術館で展示されていてもさほど違和感がない」
「常設展示希望です」
とも述べられていましたが、まさしく民芸状態!
ただ、もう少しスペースの広いところで展示してほしいなー。
そうしたらまた行きます!!
アサヒビール大山崎山荘美術館の喫茶について
今回特別どら焼きが販売されるというので、30分ほど並んで利用してきました。予約もできるようで、最初に予約しておけばよかった!!
喫茶は山荘の2階の一部とテラスにあり、お天気が良く温かいとテラス席は最高です。
人いきれで疲れたので、甘いどら焼きでホッと一息ついてきました。
この美術館の最寄り駅はJR山崎駅か阪急電鉄大山崎駅でして、この辺はあまりカフェがありません。
阪急大山崎駅前にカフェがありますが、そこかこの美術館内でお茶をするのがベターです。
もしくは近辺で探すよりは京都駅や大阪駅まで出るか、大阪までの途中下車で比較的大きな茨木や高槻でランチやお茶をする方が無難かと思います。
参考文献
『いやげ物』みうらじゅん ちくま文庫
これを読めばみうらじゅんが集めに集めまくっているものと理由がだいたいわかる??
こちらを押さえておけばだいたいOK!なものです。
『ムカエマの世界』みうらじゅん 角川文庫
「田中とかかわりがあることがないように」「吉田くんがダメなら香取慎吾くんと恋人になれますように」「アメリカ人になれますように」など全国には絵馬に描かれた意味不明な願いがいっぱい!
それを「ムカエマ」と呼ぶみうらじゅんが紹介。私はこれを読んでから、絵馬があると変な絵馬がないかチェックするようになってしまいました・・・。
『キャラ立ち民俗学』 みうらじゅん 角川文庫
「怪獣趣味が転じ、”異形”というキーワードで仏像ファンになった」という一文から、みうらじゅん氏が仏像マニアになったいきさつを知りました。
なるほどねー。
またテングー(天狗)・ブームをおこすべく奔走し、『飛び出し坊や』デザインを自ら募り、琵琶湖のある町の協力を得て立て、菊人形に恐怖する。
興味の思いつくまま突き進んでいるように見えて、実はものすごい考えている偉人なのでは・・・??
と、うならざるを得ない、一冊。
と、色々書いてきましたが、こちらを読んで、アサヒビール大山崎山荘美術館やみうらじゅん氏に興味を持った!という方がいらっしゃったら嬉しいです。