イギリスを感じよう!~イギリスのドラマを見る~『Silk 王室弁護士 マーサ・コステロ』シーズン1 感想

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BBCドラマ『Silk 王室弁護士 マーサ・コステロ』

法廷弁護士の中でも優秀な者だけが選ばれる王室顧問弁護士を目指すヒロインのマーサ・コステロ。貧しい社会的弱者の味方である彼女は、”有罪と証明されるまでは無罪”という自身の信念を貫き、依頼人のために徹底した調査を遂行する。

映画.com

シーズン3まで(2020年5月現在)

出演:マキシン・ピーク、ルパート・ペンリー=ジョーンズ、ニール・ステューク

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以下、BBC法廷ドラマ『Silk 王室弁護士 マーサ・コステロ』シーズン1を見終わった感想です。

イギリスの弁護士ってまだ法廷でモーツァルトヅラかぶってんのかー!!

というのが衝撃でした。

ヅラだけじゃなくて、黒い法衣も着てます。王室弁護士になるとこの生地がシルクになるので、こう呼ばれるらしい。

別に鬘かぶらなくてもいいじゃないかと思うのですが、このあたり無条件で古いものを何百年も受け継いでいるイギリスですね。

実は第1話を見ている途中で寝かけました。いや、寝落ちしました。
しかし、第2話でドラマに慣れてきたのか、がぜん面白くなってきた!

そのついでに日本と裁判制度が違うので、頭がこんがらがってきた。
(もともと日本の制度にも詳しくない)

この人、被告と原告、どっちの弁護してんの・・・?

なんで弁護士が2人も裁判にいてそれぞれが弁護してるの????

イギリスの裁判制度についてちょっと調べるとスッキリ見られる

イギリスの刑事法院では検察官というものがおらず、その役目も弁護士(法廷弁護士=バリスタ)がおこなうようです。

イギリスにおいて日本の検察庁に相当する機関は、CPS(Crown Prosecution Service)です。ロンドンとヨークに本部が置かれ、全国の警察署の管轄に応じて42のCPSが置かれています。また、各警察署には当番CPSが常駐しています。CPSの職員はそのほとんどがバリスタ(法廷弁護士)又はソリシタ(事務弁護士)の資格を有していますが、資格を有しないケースワーカーも数多く働いています。

CPSと日本の検察庁の大きな違いは、その権限が限定的だということです。CPSは公判専従の組織です。つまり、日本の検察官のように自ら捜査をし、警察を指揮する権限はなく、起訴権限もありません(但し、警察が起訴した後に訴追を打ち切る権限はあります)。しかも、公判専従と言っても、軽微事件を扱う治安判事裁判所での立会に限られ、殺人等重罪を主に扱う刑事法院では、主役はカツラをかぶり法服を着たバリスタです。

CPSは、「事件内容説明書」を作成して事件をバリスタに依頼・嘱託し、法廷ではそのバリスタが訴訟追行をするのです。CPSはバリスタの後ろの席で、証言内容を筆記したり、バリスタに指示されて記録を手渡したりするようなサポート役に徹します。

 CPS所属のバリスタが法廷で活動することはあり得ますが、イギリスのCPSの権限は限定的で、起訴権限を独占し、警察への一般的具体的指揮権を有している日本の検察官とはかなり異なります。

監修:中村勉(弁護士法人 中村国際刑事法律事務所 代表弁護士)

海外ドラマ専門チャンネル スーパー!ドラマTV

なので、原告、被告それぞれに法廷弁護士がつき、またこれが同じ法律事務所から出てたりすると、「資料見たでしょ!」とか後で訴えられてややこしい。

という豆知識を頭に入れてから見ると面白いです。

ちなみにマーサ・コステロは法廷弁護士です。

このドラマは華やかな恋愛模様が繰り広げられるわけではなく、スリリングな事件がおこってその裁判をおこなうわけでもありません。

取り扱う裁判は同性愛だったり、売春、麻薬、人種差別、ネットでの誹謗中傷・・・

現代にある、普通の事件です。

でも裁判中にマーサが暴いていく原告、被告側それぞれの状況、証人の裏の顔にぐいぐい引き込まれていきます。
「なぜ事件はおこってしまったか」、法で裁ききれない人間の醜さや、やるせなさを50分の間に上手くまとめて描いている。

それを裁くのも人間。弁護するのも問題だらけの人間。

所詮人間が人間を裁くなんておこがましいというか、何が罪なのか人にわかるわけないわな。
裁判後スッキリするものばかりではなく、なんだかやるせなーい感じで終わる事件もあり・・・。

ところで、弁護士見習いのニックくんが、半日働いて60£(1£=約133円)のお給料らしいのですが、これは弁護士のお給料として安いのでしょうか???

出演者について

さて、このドラマ、美女が出ません。

主役のマーサ・コステロ(マキシン・ピーク)さんも蛇っぽいというか、眉毛ない(薄い)のが気になる・・・。

マーサのライバル弁護士クライヴの見習い弁護士、どっかで見たことある・・・と思ったら。

『ゲーム・オブ・スローンズ』のマージョリー(ナタリー・ドーマー)だったー!

この人も個性的な顔立ちなので、女性に関しては目の保養ができないドラマと言えましょう(失礼な)。

男性陣は『THE GAME』にも出ていたトム・ヒューズが見習い弁護士役で出ています。

『THE GAME』とは打って変わって、スーツにニット帽のぼんやり坊やで登場。
ロンドンは寒いので、スーツ男性でもニット帽の人普通に見たことある。

日本人がするとダサくない?ダサいよね?ですが、こういう時ガイジンさんは得だよなー(?)。

ぼんやり坊やはモーツァルト弁護士ヅラにあこがれ、でも高すぎて買えないため、ヅラと黒ガウンを万引き!
いいのか、弁護士がそれで!!自分が弁護されるぞ?!

見習いで主人公のマーサについていて、まだ法廷のドロドロを知らないため、真っすぐな目で理想論を吐いたりします。

でもこの坊やがかわいい・・・。悪いお姉さんにつかまらないことを祈ります。
彼の弁護士としての成長を見守るドラマでもあります。

イギリスポイント

①パブがいっぱい出てくる

おそらく裁判所関係の方いきつけのパブなのでしょう。いつも賑わっている。

イギリスの人は立ち飲みがお好きです。席がなくても、よくパブの外にあふれ出して飲んでいるのを見かけます。

②素敵な法律事務所が出てくる

普通のビルじゃないぜ?いかにもイギリスお貴族様っぽい重厚な家具がそろっている、お屋敷みたいな事務所です。いいなあ。こんな事務所で働きたい。

ちなみに私が留学中通っていた語学学校も一軒家を改造してました。ところどころ傾いでました。

弁護士にはきっちり「Sir」「Miss」を使う

弁護士を呼ぶときは必ずつけるようですね。字幕では「先生」となっていますが、このあたりも階級制度の名残なのかなあと思って聞いてました。

形式を重んじるイギリスっぽいですね~(別にけなしてないよ)。

④弁護士が裁判中ウロウロしながら弁護すると叱られる

アメリカの裁判ものとかだと、やたらとウロウロしてオーバーアクション弁護アピールをするので、それが普通なんだと思っていました。

が、イギリスの法廷ではそんなことはしません。

もしそんなことをしたら、判事に

「歩きながら話さないでください」

と叱られます。

紳士の国のイギリスですね~。(?)

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